オキオリーブ 和食に合うオリーブオイルで新市場を開拓

証券会社での業務を通じて、香川県産オリーブのポテンシャルに惹かれ、自らオリーブ園を始めた澳敬夫氏。品種を絞った少量生産と鮮度を究める加工で、和食に合う高級オリーブオイルを開発した。ワーケーション人材を活用したユニークな農園経営を行う澳氏に、これまでの経緯と今後の構想を聞いた。

澳 敬夫(株式会社オキオリーブ 代表園主)

観光土産ではない
オリーブオイルの開発を

高松市の小高い丘の上にあり、阿讃山脈を望む約2000坪のオリーブ園。ここで製造されるオリーブオイル「オキオリーブ」は、欧州産の黄色いオリーブオイルとは一線を画す。未熟な青い果実を手摘みし、収穫後4時間以内に搾油されたオイルは、美しいグリーンの色が特徴。フレッシュな苦みの中にピリッとした辛味をはらむ独特の風味で、和食の料理人たちから絶大な支持を得ている。200mlで1万2000円前後という価格帯は、日本一のオリーブ産地にあっても例外的存在だ。

フレッシュな草の香りとすっきりしたコク、目の覚めるようなエメラルドグリーンが特徴の「オキオリーブ」

「国内産オリーブオイルは、香川県産が9割以上。それも観光地の小豆島で生産されたものが大半で、土産品として販売されるケースがほとんどでした。ところが、私がオリーブ園を始めようと土地をみつけた高松市には、観光土産の需要などありません。そこで、飲食店で使ってもらえる特徴ある商品をつくろうと考えた結果、和食に合うオリーブオイルの開発と、ミッション種に絞った栽培に行きつきました」と代表園主の澳敬夫氏は語る。

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