池田豊人・香川県知事 100歳まで人生を楽しめる田園都市へ

2022年9月、香川県で12年ぶりとなる新知事に就任した池田豊人氏。地方創生戦略として「『人生100年時代のフロンティア県』の実現」を目指して、3つの100計画を推進し、豊かな自然環境の中で人々がゆとりを感じながら、いきいきと人生を楽しめる香川県づくりに挑んでいる。

池田 豊人(香川県知事)

――知事が目指されている将来の県の姿や、地方創生のビジョンについてお聞かせください。

本県では「『人生100年時代のフロンティア県』の実現」をスローガンとし、100歳まで人生を楽しめる社会を目指す、3つの100計画を推進しています。

この計画ではまず、女性のライフプランについて考えました。これまで女性は、出産や子育てで一旦キャリアが途切れた後、元のキャリアに復帰することはなかなか難しかったのではないかと思います。しかし、今は70代でも元気に働く方がたくさんいらっしゃいます。例えば、40代半ばで子育てが一段落したら、70代まで25年ほどあります。25年と言えば、新卒で入った人が50歳になろうかという、ひとまとまりのしっかりした時間です。そこからキャリアを積むことは十分可能だと思うのです。

私は国土交通省時代に強くそれを感じました。建設業界の現場監督は、昼間は現場で職人を監督して、夜は事務所で書類仕事をしていました。それが21時とか22時ぐらいまでかかり、忙しくてなかなか家に帰れないこともありました。これは大変だということで、ある企業が「建設ディレクター」という職種をつくり、女性の採用を始めました。建設ディレクターが書類仕事を担うことにより、現場監督は早く家に帰れるようになりました。

出産や子育てで15年ほどのブランクがあったとしても、例えばパソコンの新機能や契約関係の新ルールなどは、トレーニングや勉強をすれば、昔取った杵柄ですぐにキャッチアップできます。「建設ディレクター」のような新しい職種がいろいろな事業分野で出てくれば、女性がいきいきと活躍できる社会になり、今の人手不足の景色も変わってくるのではないでしょうか。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り84%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。