四国化成ホールディングス 独創性をグループ発展の力とするDNA

1947年、化学繊維レーヨンの原料である二硫化炭素の製造で創業し、現在は「化学品」「建材」の2事業で世界中の豊かで快適な暮らしを支えている四国化成グループ。2023年1月にホールディングス体制に移行し、新たなスタートを切った。同社の発展経緯と成長戦略について、社長の渡邊氏に聞いた。

渡邊 充範(四国化成ホールディングス株式会社 代表取締役社長)

独創力で事業領域を切り拓き、
化学品事業と建材事業を展開

四国化成グループの祖業は二硫化炭素の製造だ。「そこにこそグループ成長の原点がある」と代表の渡邊充範氏は語る。

「創業当時すでに二硫化炭素のメーカーはいくつもありましたが、当社の創業者が効率的で大量生産が可能な革新的製法を発明しました。つまり、従来製法の矛盾点を看破し技術と発想で改善したわけですが、そういった“独創力”が私たちの原点であり、グループの成長を支えてきたDNAです」

75年を超える会社の歴史の節々で原動力となってきたのは、創業期に象徴される課題解決型のアイデアを重視する姿勢だ。それは化学品事業における研究開発や製造技術に留まらず、建材事業における事業領域拡大にも息づく。今日それは「独創力」と表現され、不変の企業理念として掲げられている。1970年、建材事業に進出する際にも、独創力は大いに発揮された。

「1961年から化学糊料『CMC(カルボキシメチルセルロース)』を事業化していましたが、その頃から化学品事業以外に第二の柱となる事業を興そうという考えが会社にありました。そこで、CMCを建築の内装壁材に活用し左官壁材『ジュラックス』を開発しました。骨材となる砂の一粒一粒にCMCや色土をコーティングしており、水を混ぜるだけで簡単に美しい聚楽壁の施工ができるのです。左官職人が現場で調合していた高級な壁を工業製品化した画期的発明でした。これが今日の建材事業の礎になっています」

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