カメラとクラウド、AIを活用 映像であらゆる現場をDX

多機能・高品質なカメラによるクラウド録画サービスで、シェア6割弱を占めるセーフィー。人の移動が制限されたコロナ禍において、建設現場などで使える同社のウエアラブルカメラが一気に普及した。様々な仕事を映像でデジタル化し、ブラッシュアップすることで、よりよい未来をつくることが目標だ。

佐渡島 隆平(セーフィー 代表取締役社長CEO)

コロナ禍に伴い、事務作業だけでなく、作業現場に出向かなければならないとされていた建設業や小売業についてもリモート化が進んでいる。そのインフラをカメラとクラウド、AIで支えているのがセーフィーの商品群だ。同社は今後、そのインフラを活用して「映像データであらゆる産業の現場をDXする」ことを目指している。

クラウド型防犯カメラ
全国シェアは6割弱に

佐渡島氏は元々、ソニーからスピンアウトしたモーションポートレート(MP)という画像処理技術に特化した会社でマーケティングを担当していた。同社では機械学習で精度を高める顔認証技術を応用し、さまざまなヒットアプリを送り出していたが、佐渡島氏が自宅を建てる際に感じたある不満がセーフィーの起業に至るきっかけになったという。「家に防犯カメラをつけようとしたのですが、価格も画像の質もサポート体制も満足いくものではありませんでした。それなら自分たちで作ってしまおうと考えたのです」。

そして2014年、佐渡島氏が同僚だったエンジニア2人に声をかけ、セーフィーを創業した。当初は自社でカメラをつくることも考えたが、カメラメーカーに対し組込ソフトウェアをOSとして提供し、クラウドでバージョンアップしていくビジネスモデルにたどりつく。2017年にはソニーをはじめとした主要カメラメーカーや警備会社、不動産会社、インフラ企業との資本業務提携が実現し、成長が一気に加速、2021年9月には上場を果たした。現在は自社ブランドカメラをはじめメーカーから調達したカメラの販売とともに、大手クラウドベンダーのサービスを利用しつつ、映像データの保存・閲覧できる月額課金型のサービスを提供。現在、クラウド録画サービスでシェア56.4%を誇る。

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