京都丸紅 和装を身近に楽しく便利に 卒業式の袴レンタルをDX

伝統文化を未来へ維持継承していくため、和装業界でもデジタル技術の活用が始まった。歴史ある呉服企業の京都丸紅では、袴と着物の組み合わせをオンラインで検討できるシミュレーターを開発。着物という商品にマッチしたECと店舗サービスの組み合わせを模索している。

コロナ禍において社員がプログラミング言語を学習し内製した「袴レンタルシミュレーター」

京都丸紅は、総合商社・丸紅の祖業である呉服事業を受け継ぎ、1977年に設立した呉服の製造販売会社。丸紅創業以来、160年の歴史のなかで培ってきた全国きもの産地や作家とのネットワークと企画デザイン力を強みとしている。芸術性の高い伝統的な高級呉服から、現代に合わせた新感覚のモダンきもの、最新のトレンドを取り入れた振袖、卒業式向け袴、七五三きもの、浴衣など、和装全般を広く取り扱う。

オンラインで袴をコーディネート
自作システムで受注が5倍以上に

生活スタイルの変化で着物を着る人が少なくなって久しい。伝統を維持継承し続けていくために、和装業界にも変革が求められている。京都丸紅では、なるべく若いうちに着物を着る体験をし、着物によいイメージを持ってもらうことが、和装文化の持続可能性のために重要だと考えている。そこで、現代の若者に好まれるデザインの着物を企画するとともに、SNSの活用によるデジタルマーケティングの強化やレンタルビジネスの拡充を進めてきた。