エビソルが見る飲食店DX 強みを生かすデジタル活用

コロナ禍で消費者の行動が変容し、それに対応して飲食店のデジタル化が急速に進んでいる。飲食店向け予約管理システムを手掛けるエビソルによると、ネット予約は、既に電話予約に比肩するほど増加した。店舗と顧客に関する様々なデータを連携できれば、日本の飲食サービスはより強みを生かせる。

田中 宏彰(エビソル 代表取締役)

中小規模の事業者が多い外食産業は、デジタル化が遅れているとみなされていた分野だ。日々の仕事に追われる飲食店には、複雑なシステムを使いこなす時間的な余裕はない。またIT投資の余力も限られている。インターネット予約やグルメサイトの利用、POSレジシステムなどの導入は少しずつ進んでいたものの、予約の管理は紙だったり、主な広告手段はチラシ、という時代が長く続いた。

消費者の変容にあわせ
飲食店でもDXが進む

それが、2019年末からのコロナ禍で大きく状況が変わった。外食向けデジタルマーケティングシステムの提供企業であるエビソル社長の田中宏彰氏は、コロナ禍での生き残りと消費者の変化に対応するため、飲食店でのデジタル化が進んだと分析する。

「行動制限や営業時間短縮で、店舗にいられる時間が限られる中、テイクアウトの予約を受けたり、営業時間の問い合わせに対応したりしなければならない。電話応対では限界があるため、デジタルプラットフォームを使い始めたお店が増えました」。

エビソルでは、飲食店向けの予約管理システム「ebica」を2012年から、また2014年からは「グルメサイトコントローラー」という、予約情報を集約して各グルメサイトの空席情報に反映するシステムを運営している。「ebica」は約1万5000店舗で使われている、飲食店向けクラウド型予約管理システムで、「グルメサイトコントローラー」は飲食店向けのサイトコントローラーではトップシェアとなっている。

図1 「グルメサイトコントローラー」の機能

各社のグルメサイトから入る予約を集約し、空席の情報を店舗・各グルメサイトとリアルタイムで共有する。これが実用化される前、店舗はグルメサイトごとに空席をアップして予約を取り、人手をかけて集計していた

 

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