稲とアガベ 日本酒で、秋田の男鹿を日本のブルゴーニュに

秋田の新政酒造で日本酒造りをしていた岡住氏が、自身のブランドを立ち上げるべく起業。2021年5月には秋田銀行と日本政策金融公庫から2億円を超える協調融資を受けた。旧男鹿駅舎を拠点に小売・飲食機能を兼ねた醸造所をつくるという構想を持つ岡住氏に、地域活性にかける想いを聞いた。

社会起業家を志し日本酒の世界へ

ユネスコの無形文化遺産に指定された「来訪神」のひとつ、「ナマハゲ」で知られる秋田県男鹿市。高齢化率が5割に迫るこの町を、酒造りを柱とした新事業で盛り上げようとしているのが、33歳の起業家・岡住修兵氏だ。生酒「No.6」の製造元である新政酒造を経て3年前に独立し、個人事業として立ち上げた「稲とアガベ」を法人化して、清酒製造免許を取得予定。新規参入が難しく、かつ斜陽産業とも言われる日本酒の世界で、雇用創出、農業の活性化、さらには観光客誘致をも実現させるビジネスモデルを描いている。

岡住 修兵 稲とアガベ 代表取締役

「大学でアントレプレナーシップとベンチャーファイナンスを学び、社会的意義のあるビジネスで雇用を創出し、自分も周りも豊かにする起業家になりたいという思いがくすぶっていたのです。どうせなら好きなことを仕事にしようと、お気に入りの酒をつくっていた新政酒造の門を叩きました。8代目当主の佐藤祐輔さんが『日本酒界のスティーブ・ジョブズ』と呼ばれる人であることにも興味がありました」と岡住氏は語る。当初は3年修業して日本酒の販売会社を立ち上げようと考えていたが、想像以上に酒造りに魅せられ、米麹の製造担当として4年半働き続けることに。そして、販売だけでなく醸造から手がける事業を興そうと決意した。

アミノ酸量を抑えるため、
肥料を使わずに米を栽培

ところが現在、日本酒の国内需要減少などの理由から、清酒製造免許の新規取得は原則として認められていない。免許を持つ企業を買収したり、移転許可を得るという方法もあるが、岡住氏は「新規免許を取って酒造所の数を増やす」ことにこだわった。

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り71%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全文読むことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事15,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。