農家が自ら価格設定できる新受発注システムで、野菜の流通改善

「秋田県産野菜を都内の飲食店に卸す「ゴロクヤ市場」の運営と、農家が自らの意思を反映した価格設定ができるオンラインアプリ「イージー」の開発を行うAIfrece composition。代表の佐藤氏は、農作物の流通構造を変えることで、農家の高齢化が進む中でも真に持続可能な農業の実現を目指している。

佐藤氏(左)が農家のハウスを訪れた時の様子

既存流通システムを改善し、
野菜の供給過多を解消

秋田と東京の568kmの距離があっても、美味しく新鮮に秋田のお野菜を届けたい――。そんな思いを込め、秋田県産野菜専門の卸売「ゴロクヤ(568)市場」を軸に農作物の流通改善に取り組んでいるのが、由利本荘市のAIfrece compositionだ。2017年9月の会社設立以来、県内農家50軒と提携し、首都圏の量販店や飲食店など年間100軒の取引先に農作物や加工品を卸している。

農家と飲食店を結ぶBtoBがメインだが、昨年からは個人への提供も始めた。月1回、旬の野菜をセットにして発送する定期便の他、生じゅんさいやタラの芽、ハックルベリージャムなどの特色ある商品の個別注文もオンラインで受け付けている。同社を立ち上げたのは、由利本荘市出身の佐藤氏。食品専門商社に勤務していた頃、地元の知人農家から「山菜が大量に余っている」と聞いたことがきっかけだったという。

「農家の方によると、前年に大量の注文が入ったため作付面積を増やしたら、翌年はそれほど注文が入らなかったり、予想以上に豊作になるなどの需給ミスマッチによって余剰野菜が出ることがよくあるというのです。一方、私が住む東京では、スーパーで新鮮な山菜を見かける機会は少なく、欲しいと思ってもなかなか買えません。こうしたギャップを埋めるために私がこれまでやってきた仕事を活かせたら、と思いました」と佐藤氏は語る。

農家が自由に値付けできる
新たなオンライン市場

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