独自技術により、日本の金属3Dプリンター市場を開拓する

欧米に比べて、日本のモノづくりの現場では、金属3Dプリンターの普及が大幅に遅れている。3Dプリンターによる「金属積層」で企業のモノづくりを支援している日本積層造形代表の日下良太氏は、その背景について品質の問題ではなく、産業構造やモノづくりへの意識の違いが大きな壁だと指摘する。

日下 良太(日本積層造形 代表取締役社長)

モノづくりの分野で、欧米では急速に存在感を増しているのに、日本ではまだ普及していない機械がある。金属3Dプリンターだ。

金属3Dプリンターの例

2021年2月、日本能率協会総合研究所が同社のリサーチプラットフォーム「MDB Digital Search」で公表した世界の金属3Dプリンター市場調査では、2019年度に1300億円だった市場は、2025年度に2500億円規模にまで発展すると予想している。しかし、2019年度の時点で日本の市場規模は10%に満たず、企業における金属3Dプリンターの活用も進んでいない。

日本がすっかり出遅れているこの分野に商機を見出して2017年、宮城県多賀城市に設立されたのが、日本積層造形だ。代表の日下良太氏は、総合商社の双日で金属事業に携わっていた中、欧米で医療、航空宇宙分野で導入が進み始めていた金属3Dプリンターと「金属積層」による部品製造のポテンシャルに着目した。

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