持続可能なまちの経済を実現へ 地域の成長への貢献が原点

1877(明治10)に設立された金沢第十二国立銀行を起点とする北陸銀行は、国内に例を見ない広域地銀として、長年にわたり各地域と共に歩んできた。2022年4月より長期ビジョン「課題解決を通じて地域・お客さまとともに持続的成長を実現する」を掲げ、事業承継等への取り組みを積極的に進めている。

中澤 宏(ほくほくフィナンシャルグループ 代表取締役社長
北陸銀行 頭取)

地域の殖産興業のため創業
顧客の成長で広域事業展開

北陸銀行は北海道銀行などと共に、富山県富山市に本社を置く「ほくほくフィナンシャルグループ」の傘下にある。1877年創業の金沢第十二国立銀行(十二銀行)にルーツがあり、1943年には「十二・高岡・中越・富山」という4行の合併を通じて北陸銀行が誕生した。さらに2004年9月には北海道銀行と経営統合を行い、ほくほくフィナンシャルグループの一員となった。

1961年に建築された富山市の北陸銀行本店は、富山市の戦後復興期を象徴する建物だ

「前身の十二銀行は、加賀前田家と当時、日本海海運で活躍していた北前船の船主だった豪商たちの出資によって設立されました。明治維新で様々な事業が起こされていく中、産業の支援に尽力してきました。北陸では特に繊維業などの産業が早くから集積し、他の地域との交流も盛んになって、十二銀行も東京や大阪など他の地域でも支店を増やしていきました」。

ほくほくフィナンシャルグループ代表取締役社長、北陸銀行頭取の中澤宏氏は、こう語る。1899年には小樽支店を開設し、北海道にも進出した。北海道開拓の時代、ピーク時には入植者の3割を北陸出身者が占めるなど、北陸3県から北海道への移住は盛んに行われていた。このような中、十二銀行は開拓地で事業を始めた移住者を支援するため、国策銀行の旧北海道拓殖銀行が創業する約半年前に、北海道にも事業を拡大させた。

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