神田明神 伝統と革新の精神で、新たな神社像を提示する

サブカルチャーの街・秋葉原に立地し、90年前に初の鉄筋コンクリート造社殿を建てた歴史を持つ神田明神。人口減少や、若者の寺社離れなどによる氏子の減少という危機感をバネに、デジタルの活用やポップカルチャーとの融合による文化芸術の発信など、新しい祭礼文化の創造に挑戦している。

清水 祥彦(宗教法人神田神社 宮司)

常に最先端の文化を受け入れ
発展してきた、秋葉原の氏神様

江戸時代を通じて「江戸総鎮守」として幕府や庶民に親しまれてきた神田明神(神田神社)は、令和12年で創建1300年を迎える古社であり、日本三大祭りの1つである神田祭を斎行する神社だ。長い歴史の中で幾度もの戦乱や災害を乗り越え、その時代の文化を取り入れながら地域社会とともに歩んできた。特に近年は、電気街からポップカルチャーの街へと変貌を遂げた秋葉原の氏神様として、早くから新しい試みに取り組み、「ITの守り神」との異名も持つ。

境内の全景

例えば、十数年前からは獅子舞ロボット型おみくじ自動頒布機を設置したほか、密を避けることが求められたコロナ禍においてはホームページからオンラインで申し込める昇殿参拝予約システムなどを導入。また、令和4年1月には、参拝すると「参詣(マイリ)」が貯まる公式アプリ「神田明神EDOCCO倶楽部」の運用も始めた。10マイリで煎餅、50マイリで心願成就のお祓いを済ませた炭酸飲料「神社声援(ジンジャーエール)」と交換できる。

神田明神は、令和元年には千代田中央文化交流推進機構を立ち上げ、境内の施設を生かし、プロジェクションマッピングのイベントなども開催してきた。コロナ禍では盆踊りが行われる納涼祭を開けなかった代わりに、若者に人気のオンラインゲーム「あつまれどうぶつの森」の中に「かんだみょうじん島」をつくり、盆踊りや露天商などの賑わいを再現し、話題を呼んだ。また、クラウドファンディングを募り、所蔵する浮世絵、絵巻物、古文書、古写真など数千点にのぼる資料をデジタルアーカイブ化した「神田明神オンライン博物館」を令和5年4月に開館している。

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