かほくイタリア野菜研究会 農商工連携で栽培産地のブランド化に成功

山形県河北町は、人口1万7000人ほどの小さな町だが、レストランのシェフたちには「イタリア野菜の産地」として名の通った存在だ。河北町はどのようにして、イタリア野菜のブランド産地へと成長していったのか。「かほくイタリア野菜研究会」の会長の牧野聡氏に、その道のりと今後の展望を聞いた。

牧野 聡(かほくイタリア野菜研究会 会長、株式会社まきの農園 代表取締役)手に持つのは、最初に栽培に挑戦したトレヴィーゾ・タルディーヴォ

イタリア野菜の栽培に農商工連携でチャレンジ

コメの名産地として知られる山形県だが、その稲作にとって農閑期にあたる7月頃から作付けが始まるのが、イタリア野菜だ。県の内陸部に位置する河北町で、若手の新規就農者ら4名が試験的にイタリア野菜の生産を始めたのが、2011年のこと。地元商工会のメンバーが、隣接する市のイタリアンレストランのシェフから「本場イタリアと同じ野菜が、国内では手に入りにくい」と聞いたのがきっかけだった。当時、2008年のリーマンショックの影響から廃業する町の商工業者が増加し、商工会は雇用対策事業に力を入れていたという。

「商工会に勤める友人から、農商工連携の6次化プロジェクトとして、イタリア野菜の栽培に挑戦しないかと声をかけられました。しかし、私は曾祖父の代からコメとサクランボしか育てたことがありませんでした。そこで、12名の仲間で『かほくイタリア野菜研究会』を立ち上げて、インターネットなどで栽培技術を一緒に検索しながら試行錯誤で取り組むことにしました」と、まきの農園代表で、かほくイタリア野菜研究会の会長を務める牧野聡氏は振り返る。

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