ミクロン精密 挑戦する気質を強みに、新事業開発に挑む

センターレス研削盤と内面研削盤を主力製品とする研削盤メーカーのミクロン精密は、国内で約40%、海外でも約10%のシェアを誇る。主に自動車部品に使用される研削盤の開発・製造でシェアを伸ばしてきたが、自動車の電動化が進む中、変革を迫られている。今後の展望を、代表の榊原憲二氏に尋ねた。

榊原 憲二(ミクロン精密株式会社 代表取締役社長)

倒産を経て、世界で10%の
シェアを誇るグローバル企業へ

山形市に本社と工場を構える、研削盤メーカーのミクロン精密。部品の外側を丸く削る「センターレス研削盤」と部品の内側を丸く削る「内面研削盤」を開発・設計・製造・販売しており、国内で約40%のシェア、海外では30カ国以上に輸出し、約10%のシェアを誇る。2020年版の経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれるなど、「部品を作るための精密機械を作る企業」として国内外に知られた存在だ。

山形県上山市に位置するR&Dセンターとみはらし工場

同社は、東京に本社を置く機械商社の工場として1958年に創業した。当時の山形はミシン産業が盛んだったため、山形出身の創業者が部品メーカーの需要を見込んでのことだった。生産を本格化するにあたり、1961年に別会社として分離・独立し、中川精機製造が設立された。この会社がミクロン精密の前身で、創業61年目を迎える。

中川精機製造は1964年に一度倒産したが、1968年に再建され、社名をミクロン精密とした。これが最初のターニングポイント。その背景を、現代表の榊原憲二氏が明かす。

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