カルビーの代替海苔「のりやん」発売3日で完売 量産化に意欲

(※本記事は「食品新聞」に2025年11月24日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

代替海苔「のりやん」の「だし醤油味」(左)と「わさび塩味」
代替海苔「のりやん」の「だし醤油味」(左)と「わさび塩味」

11月5日にカルビーアンテナショップ「カルビープラス東京駅店」で数量限定発売されたカルビーの代替海苔「のりやん」が、好評につき発売3日目の7日に完売し「のりやん」量産化へ弾みをつける成果を挙げた。

量産化が実現されれば、海苔業界と共存して一大市場を形成する可能性が、11日実施した「のりやん」発案・開発者の工藤凜平さんへの取材で浮き彫りになった。

工藤さんは「お客様から『見た目の味わいも本物の海苔のようだ』と多くの方からご好評をいただき、想定よりも良い結果になった。今後は量産化に取り組んでいく。今回の結果は、量産に適した新設導入に向けて、プラスに働くはず」と意欲をのぞかせる。

安価な主原材料としてじゃがいもでんぷんを使用して作られた
安価な主原材料としてじゃがいもでんぷんを使用して作られた

「のりやん」は、海苔の漁獲量減少や海苔の価格高騰を受けて、安価な主原材料としてじゃがいもでんぷんを使用して作られた代替海苔。

価格は、スタンドパウチに1口サイズの代替海苔を30枚ほど(4.5g)入れて税込198円。

生産にあたり手作業によるところが大きいためコストメリット創出には至っていないが、量産化が実現された際には「価格を市販海苔平均価格の半額程度に抑えることが目標。賞味期限も4か月からまだまだ伸ばせる」と自信をのぞかせる。

量産化で獲得を目指すのは、海苔そのものの味わいを楽しみたいニーズではなく、添え物として海苔を必要とするニーズやスナックニーズとなる。
「海苔と共存して選択肢の1つになれればいい。コスト面を考えて、海苔ではなく『のりやん』」を選択される方が一定の割合でいるものと想定している」と述べる。

スタンドパウチで透明になっている底部
スタンドパウチで透明になっている底部

味付けのバリエーション・カラーバリエーション・栄養素の添加という主に3つのアプローチで、海苔では取り切れないニーズの獲得も見込む。

「味付け海苔は完成した海苔の表面に調味料を添加したものであるのに対して、『のりやん』は原材料の中に調味料を混ぜ込むことができる。これにより、表面がベタつかない味付けにすることもできる」と説明する。

ベタつかない多彩な味わいで間食・スナック需要も取り込む。栄養素を練り込むこともでき、子ども用の健康的なお菓子の打ち出しも可能となる。

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