社会・経済的影響も絶大な二つの国際的スポーツイベント
2026年はサッカーW杯イヤー。日本では20回目となるアジア競技会も開催される。単一競技大会として長い歴史を持ち、世界的な巨大イベントとなったFIFAワールドカップ、珍しい競技も含めて約40のスポーツが楽しめるアジア競技会、双方の特徴を見る。
2026年は国際的なスポーツイベントが目白押しで、2月にはミラノ・コルティナ冬季オリンピック/パラリンピック、3月にはワールド・ベースボール・クラシックがある。また、サッカーのワールドカップイヤーでもある。23回目となる今回は、アメリカ、カナダ、メキシコの3ヵ国16都市を舞台に6月11日から開催され、日本代表は、1998年フランス大会で初出場を果たして以来8回連続の出場となる。一方、9月には20回目のアジア競技大会が愛知・名古屋で開催される。日本開催はこれで3回目だ。単一競技の世界大会としては最大規模のサッカーワールドカップと、アジア諸国が参加する複数競技の大会であるアジア競技大会。規模こそ異なるものの、いずれも歴史は長く、経済・社会的インパクトも大きい。
サッカーW杯は、国際サッカー連盟(FIFA)が主催・運営するサッカーの世界最高峰の大会で、オリンピックと並ぶ世界的スポーツイベント。第1回大会は、1930年、FIFA会長だったジュール・リメ主導のもとウルグアイで開かれた。第二次大戦を挟んで1950年のブラジル大会以降4年に一度の開催となった。当初わずか13だった参加チームは、その後1978年までに16、1979年から1994年の間に24、1995年から2022年の間に32に増加、2026年大会では48チームにまで拡大している。
規模の拡大とともにその経済的インパクトも増大の一途だ。前回カタール大会が開催された2022年におけるFIFAの総収益は約57億ドル(約8800億円)で、2018年ロシア大会比24%もの大幅増加となったという。うちテレビ放映権収益が約29億ドル(約4500億円)、スポンサーやFIFAパートナーなどからの協賛金であるマーケティング権収益が約14億ドル(約2100億円)となっており、国際オリンピック同様、放映権が大きな比重を占めるようになっている。同大会はまた、会場や地下鉄網の整備などインフラ拡充はもちろん、観光や輸送、サービス産業の強化など、将来的な脱・石油依存を見据えた経済多角化にも大きく貢献している。過去最大規模になる2026年大会の経済的影響は計り知れない。
一方、アジア競技大会は、アジア・オリンピック評議会(OCA)が主催・運営するアジア最大のスポーツの祭典で、こちらも4年ごとに開催されている。第1回は1951年、インドで開催され、日本では1958年に東京で、1994年には広島で開かれた。インドの伝統競技「カバディ」や、東南アジア各地で古くから普及している球技「セパタクロー」など、国際オリンピックでは見られないさまざまな競技に接することができるのも、同大会ならではの魅力だ。
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