Pasio 福祉を起点に地域課題から事業を生み、地域産業を再構築する

障害福祉を軸に、地域課題を事業に変えながら発展してきたPasio。代表理事の佐原和紀氏はソーシャルワーカーとしての35年の現場経験をもとに、既存制度に頼ることなく、持続可能な仕組みを地域に実装した社会起業家だ。「福祉を誰もが使える社会インフラへ変える」というその構想に迫る。

佐原 和紀(一般社団法人Pasio 代表理事)

退院支援の現場で気づいた
補助金に頼らない事業の必要性

佐原氏が福祉の道に入ったのは、明確な志があったからではない。「人の役に立てれば」という漠然とした思いからだった。精神科病院や社会福祉法人で高齢者介護や障害者支援に携わる中で見えてきたのは、本人の努力や既存のサービスだけでは解決できない、地域の仕組みそのものの課題だったという。

「転機は、40歳頃に関わった精神科病院の長期入院者の退院支援でした。医学的には退院できるのに、地域に住まいや支援がないため20年、30年と入院を続ける、いわゆる社会的入院です。その時に、問題なく暮らせるようになってから退院するのではなく、地域での生活そのものを支えることこそが福祉の役割ではないかと考えました」

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