廃棄していた黄色いカボスを地域資源に JA全農おおいたが加工用途拡大で集荷量2.6倍

(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2026年8月24日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

大分県産完熟かぼすグミ
大分県産完熟かぼすグミ

JA全農グループが進めているナショナルブランド(NB)「ニッポンエール」では、傷や変形など流通には向かない規格外の果実を搾汁するなどして製品化している。飲料・食品メーカーやスーパー、コンビニなど流通企業との取り組みも広がり、フードロスの削減だけでなく、農家の手取り収入増や産地の維持にもつながっている。今回は47都道府県の果汁グミにも採用された、JA全農おおいた「完熟かぼす」の取り組み事例を紹介する。

青果としての販売は断念

大分県のカボス農家は生産部会の平均年齢が70歳以上と高齢化が進んでいた。しかも専業農家が少なく、水稲など他の農作業もあって、青果として出荷できる緑色のカボスのまま全て収穫するのは限界に直面。収穫量全体の2割は流通に出荷できず、1割は木に残って黄色く完熟し、最後はほ場内廃棄を余儀なくされていた。木に残ったカボスは翌年に収穫量が減る「隔年結果」の要因にもなっていた。

「大分県人や県内生産者は『カボスは緑で売るもの』という使命感があった」と語るのは、JA全農おおいた・営農開発部直販開発課長の菅原大樹さん。ハウス栽培や低温保存でほぼ1年中、緑のカボスは青果として販売できる。しかし、露地栽培期間は8月中旬から9月下旬までと短く、どうしても黄色く完熟したカボスが残る。酸味はまろやかになり甘みが増した青果として販売する取り組みも「過去には先輩たちが何度も挑戦した」。しかし、熟して柔らかいカボスは、流通の間に傷んでしまう。結局、青果販売は断念し、果汁を加工品の原材料として使う道を選んだ。

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