飼料高騰に耕畜連携で立ち向かう愛媛県JAひがしうわ 地域内循環型農業で酪農再生へ

(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2026年8月21日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

愛媛県南部・西予市を事業エリアとする東宇和農協(JAひがしうわ)は、「第4期農業振興計画」(2026~30年度)で、新たに耕畜連携について「地域内循環型農業の推進」を強化するとした。西予市は旧宇和町では標高250m余・約1000haの内陸盆地・宇和平野の良食味米「宇和米」と、旧野村町では四国トップの酪農産地を誇ってきた。ところが、ロシアのウクライナ侵攻以降の輸入トウモロコシ・乾草の価格高騰が酪農経営の苦境を深刻化させ、中小経営の離農を防ぎきれなくなった。それがJAひがしうわをして、「地域内資源循環・耕畜連携の推進」を選択させることになったのである。山藤篤・愛媛大学社会共創学部講師と村田武(九州大学名誉教授)・本紙特別編集委員が取材に入った。

地域内循環型の推進

まず、「第4期農業振興計画」で「地域内循環型農業の推進」を掲げた背景を同JA組合長の石野満章氏(62)に、この間の粗飼料の地域内自給率アップの取り組みを専務の古本陽一氏(63)、常務の品川生介氏(71)にお聞きした。

左から古本陽一専務、石野満章組合長、品川生介常務
左から古本陽一専務、石野満章組合長、品川生介常務

石野 酪農経営の危機が深まっているなかで、新規就農も限られています。四国一の酪農産地をせめて維持したいとの思いで、「第4期農業振興計画」に「地域内循環型農業の推進」を持ち込んだ次第です。円安が進み、輸入に頼る配合飼料原料価格の高騰はひどいものです。酪農経営数は減っても、規模拡大意欲のある経営を支えたい一心です。

古本 そこで農協がやれるのは、地域での粗飼料の増産で酪農や和牛繁殖・肥育経営の自給飼料率をアップすることでした。主食用米価格が低落しているなかで、稲作経営にWCS稲の栽培を推奨しました。2024(令和6)年実績で、旧宇和町90・9ha、旧野村町で38・2ha、旧城川町で14・4ha、合計143・5haの栽培になりました。昨年(2025年)は主食用米の高騰で、WCS稲の栽培面積は99・8haと3割減になりましたが、主食用米のバブル的高騰の収まりにともなって、WCS稲の栽培面積の回復を期待しています。それには、農水省の「新たな水田政策」での麦・大豆・飼料作物の支援策が、「面積当たり単価」から「収量に応じた単価」に変更される際に支援レベルを引き下げられることがないことです。

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