水素取扱量30%を目指す 関西電力の水素事業開発

水素・アンモニアが2030年の電源構成の1%に位置づけられたことで、電力各社の水素事業への注力が本格化してきた。関西電力は2021年に水素事業戦略室を設置、CO2フリー水素の製造・輸送・供給、発電用燃料としての使用などに挑戦していく。

出口 敦也(関西電力 水素事業戦略室 水素事業戦略部長〔スマートエネルギーWeek2022/RX Japanにて〕)

水素事業戦略室を新設
水素取扱シェア3割を目指す

関西電力は、2021年2月に「ゼロカーボンビジョン2050」を策定、発電事業をはじめとする事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロにする目標を掲げた。この中で、取り組みの柱のひとつとして「水素社会への挑戦」を掲げ、ゼロカーボン社会の実現のために必要不可欠なエネルギーとして水素を位置づけ、「ゼロカーボン水素の製造・輸送・供給、発電用燃料としての使用に挑戦する」とした。さらに、各部門が個々に従事している水素関連業務を集約して、戦略の検討・立案や実証判断等を一元的に担い、効率的かつ効果的に事業化に取り組むため、2021年5月に水素事業戦略室を新設した。

関西電力の電源構成(2021年度)は、石炭・LNG・石油火力が42.8%、原子力27.9%、水力11.6%、太陽光・風力・地熱・バイオマス・FIT電気は合計4.9%となっている。CO2排出が多い火力への依存度は高く、火力発電所は10拠点に合計約1500万kWを整備している。

「関西電力の発電事業に伴うCO2排出量は2020年度で約3040万t、日本全体の排出量が約10億tですので、弊社はその約3%を排出していることになります。日本のカーボンニュートラル実現のためにも、弊社がしっかりと取り組まなければいけません」と、水素事業戦略室水素事業戦略部長の出口敦也氏は語る。

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