経団連もスタートアップ振興を提言 新事業創出する人材が必須に

コロナ禍にあっても、海外では新興企業の活動が経済・社会を活性化させる好循環が生まれている。日本では、経団連がスタートアップの裾野拡大と成長支援に関する提言を発表した。未来をつくるために、新しいチャンスや課題と向き合って事業を考える人材の育成が不可欠になっている。

図1 世界のベンチャー投資額


世界中で感染症が拡大したにもかかわらず、2021年はベンチャー企業への投資が増えた

資料:CBINSIGHTS

社会の変化に合わせて新しいビジネスが生まれ、それがまた社会を発展させていく。新事業は、企業にとっても社会にとっても、活力を保つために不可欠なものだ。世界では新しい価値を生み出す新興企業に対する期待は年々高まっている。米国の調査会社CBinsights社によると、2021年の世界のベンチャー投資は前年比111%増の6210億ドルに達した(図1)。1億ドルを超える資金調達も、2020年には630件だったものが、2021年には1500件を超えた。さらに、ユニコーンと呼ばれる、企業評価額が10億ドル以上、かつ設立10年以内の非上場ベンチャー企業の数は959社になった。コロナ禍をものともせず、新しい価値ある企業が相次いで生まれているのだ。

経団連がスタートアップ振興を提言
起業増へ教育の役割が大

この世界的な潮流から、日本は取り残されている。中小企業白書によると、日本の開業率はバブル期の1988年をピークに低下傾向にあったが、2000年代は緩やかに上昇していた。ところが2018年以降は再び低下している(図2)。2020年以降のコロナ禍は、企業の廃業を促す効果があったとみられるが、開業率にプラスの影響があるとは考えにくい。社会に必要な新しい企業が生まれにくいのが日本の現状だ。

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り76%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全文読むことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。