2025年度概算要求まとめ 各省庁でGX・DXを推進、スタートアップ支援や地方創生に注力

【目次】

  1. 一般会計総額は過去最大の117兆円超、GXやDXを推進へ
  2. 経済産業省はスタートアップ企業の支援やイノベーションの加速など
  3. 観光庁は「地方を中心としたインバウンド誘客」などの観光戦略を推進
  4. 厚生労働省は医療・介護におけるDX推進に358億円を計上
  5. 農林水産省はデジタル技術やAIを活用したスマート農業を支援
  6. 国土交通省はGXやDXを推進し、観光立国実現に向けた取り組み実施へ
  7. 環境省はスタートアップ支援に50億円、地域脱炭素推進交付金として762億円
  8. 内閣府・デジタル庁・文科省の「地方創生」の注力項目
     8-1 内閣府は「デジタル田園都市国家構想」の実現に1200億円を計上
     8-2 デジタル庁は地方におけるデジタル共通基盤の整備・運用を強化
     8-3 文部科学省は大学間連携による地方創生など教育研究組織改革を推進

一般会計総額は過去最大の117兆円超、GXやDXを推進へ

中央省庁の2025年度(令和7年度)概算要求が、8月31日に出そろった。一般会計総額は117兆円を超え、117兆6059億円となり、過去最大を更新した。

各省庁では、環境保護と経済成長の両立を目指すグリーントランスフォーメーション(GX)と、GX推進に欠かせないデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するとしている。そこで、各省庁の概算要求額と事業のポイントをまとめた。

経済産業省はスタートアップ企業の支援やイノベーションの加速など

経済産業省は、2025年度概算要求として、一般会計、特別会計のほか、GX推進対策費9818億円など、2024年度当初予算から約2割増の2兆3596億円を要求した。

2024年度は、同省が現在進めている経済産業政策に関連して、国内投資拡大の継続・対日投資の拡大やイノベーション・新陳代謝の加速、GXの実現とエネルギー安定供給の確保など7つを柱に取り組みを推進する。

GX・脱炭素エネルギーでは、2024年度から29.1%増の1兆2487億円を要求。GX・省エネ投資の推進のほかに、再エネ・原子力など、エネルギー自給率向上に資する脱炭素エネルギーの供給拡大に向けた事業環境整備などを行う。

また、さまざまな分野で、スタートアップ企業の支援策を盛り込んだ。グローバルに活躍するスタートアップの創出に向けては、1691億円を投じ、グロースステージの成長支援強化や国の研究開発予算におけるスタートアップ支援のポートフォリオ拡大、スタートアップの成長につながる市場環境整備を進める。

このほか、ヘルスケアスタートアップを支援し、新ビジネスの創出を図るほか、介護需要の多様な受け皿整備、ヘルスケアの国際展開(アウトバウンド・インバウンド)を促進する仕組みの構築を目指す。

観光庁は「地方を中心としたインバウンド誘客」などの観光戦略を推進

観光庁の2025年度予算の概算要求総額は、インバウンドの増加が見込まれることなどを踏まえ、2024年度予算比で1.2倍となる約628億円を計上した。一般財源は2024年度予算比1.5倍の約150億円となった。

観光戦略としては引き続き、「持続可能な観光地域づくり」「地方を中心としたインバウンド誘客」「国内交流の拡大」の3つの戦略を総合的に推進していく。

持続可能な観光地域づくりでは、新たに「観光産業再生促進事業」を開始し、債務を抱える宿泊事業者の事業再生を支援する。また、地域における観光危機管理計画の策定に向けたマニュアル整備や医療機関の訪日外国人患者受入機能の強化に加え、全国の観光地・観光産業でのオンライン予約やキャッシュレス決済導入支援などの継続事業も引き続き行う。

地方を中心としたインバウンド誘客では、2030年までに訪日外国人旅行者数6000万人達成という政府目標に向けて、戦略的な訪日プロモーション施策に、55億円を投じる。プロモーションとしては、2025年に開催される大阪・関西万博関連の施策が中心となる。

国内交流の拡大では、第2のふるさとづくりを推進する「新たな交流市場・観光資源の創出事業」に6.5億円、宿泊施設の施設改修や高齢者・障害者向けの旅行商品造成などを支援する「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズムの創出事業」に5億円を充てる。

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