TRAILIX 北海道最大級の園地でりんご栽培開始、1000ha規模の輸出産地化目指す

西本Wismettacホールディングスとノルデックスが共同設立した農業法人TRAILIX(北海道岩内郡共和町)は2026年5月21日、北海道共和町でりんご苗木の「定植祭」を5月8日に開催したと発表した。。約4haの園地は北海道最大級の規模で、主力品種「ふじ」「ぐんま名月」など日本品種を中心に約1万2,000本の苗木を定植。収量目標は260tを掲げる。

国産りんごの約6割を占める青森県では過去10年で生産量が47万tから37万tへと約10万t減少し、高齢化や温暖化に伴う「日焼け果」「着色不良」などの品質障害が深刻化している。一方、農林水産省の予測では2060年代に北海道がりんご栽培の主要適地となる見込みだ。共和町は世界的なりんご産地である米ワシントン州やイタリア・チロル地方と近い緯度に位置し、平地で降雪量も比較的少ないことから、大規模・機械化栽培の適地として選定された。

TRAILIXは北海道の果樹生産法人として初めて「スマート農業技術活用促進法」の認定を取得した。従来の「マルバ栽培」から「高密植栽培(省力樹形)」へ転換し、自動操舵トラクタの活用などで労働生産性の約50%向上を目指す。さらにニュージーランドの園芸コンサルティング会社と契約し、海外の先進的な剪定・摘果技術を日本の環境に合わせてローカライズすることで、熟練者の経験や勘に頼らず初心者でも再現性の高い栽培を可能にする方針である。

販売面では、西本Wismettacが蓄積してきた海外顧客ネットワークとニーズ情報を生産現場に直接還元する「マーケットイン型」の取り組みとして、生産・選果・物流・販売までを一体化した「バリューチェーン一体型果樹モデル」を構築。アジアを中心とする海外市場への輸出を主軸に据えつつ、国内市場にも供給することで、国産りんごの自給率向上にも貢献する考えだ。今回の4haの園地を起点に2035年までに段階的に200haへ拡大し、将来的には北海道全体で1,000ha規模の輸出産地化を目指す。温暖化で栽培適地が北上するなか、北海道発の次世代産地モデルの先駆けとなることが期待される。