関西とパナマの連携強化 万博を機に環境経済海事学術で協力拡大
(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年3月23日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

今回は、在神戸パナマ共和国総領事館のアレハンドロ・デ・レオン・デ・ラ・グアルディア総領事に、万博の成果や関西での今後の取組に関する展望を伺いました。なお、本記事の内容は、インタビュー実施時点(2026年1月)の情報に基づいています。また、掲載している写真は、在神戸パナマ共和国総領事館よりご提供いただいたものです。
世界有数の「カーボンネガティブ」国家としてリーダーシップを発揮
Q:万博期間中の最も重要な成果は何でしたか?
パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領の立ち会いのもと、同国の建国記念日である9月6日にパナマ商工会議所と大阪商工会議所の間で経済交流促進に関するMOUを締結できたことです。大阪商工会議所とは従前より表敬訪問などを通じて良好な関係を構築しており、大阪商工会議所が他国の機関ともMOUを締結している事例を踏まえ、パナマにおいても締結に結びつけることが可能なのではないかと考え検討を重ねてきました。今回、万博という国際的な機会を最大限に活用し、両者の連携を正式なかたちで結びつけることができた点は、大きな成果だと考えています。
共同館(コモンズ-C)内に設置したパナマ・パビリオンには、延べ380万人を超える来場者が訪れ、国際博覧会事務局(BIE)から展示デザインにおいて「Saving Lives(いのちを救う)ゾーン」金賞を受賞するなど、パナマの万博参加の歴史に刻まれる大きな評価を頂いたことは非常に光栄でした。パビリオンでは、パナマ運河をはじめとする豊かな文化遺産、息をのむような自然景観などの魅力を発信するだけでなく、万博の全体テーマにも沿った展示を通じて、パナマが世界でも数少ないカーボンネガティブ(大気中に排出する二酸化炭素よりも、吸収・除去する量が多い状態)な国家であることを発信していきました。
また、生態系・生物多様性の保全など、地域全体の生命を守る取組を紹介することで、環境分野におけるパナマの国際的なリーダーシップを示すこともできました。これらの取組により、多くの来場者から「パナマを訪れてみたい」という関心を高める契機となったと考えています。

中南米・カリブ地域8カ国が参加したコーヒー・カカオのラウンドテーブルを開催
Q:印象的なエピソードや取組があれば教えてください。
特に印象深い出来事は、やはりパナマのナショナルデーです。当日は、姉妹都市である今治市の伝統芸能「継ぎ獅子」と、パナマの伝統舞踊が共演し、両都市の友好関係を一層深める機会となりました。非常に美しく力強い美しいパフォーマンスであり、私たちが大切にする文化遺産の魅力を強く印象づけるものとなりました。
また、万博期間中には、コーヒーとカカオといった食文化、衣類、住まいなどの生活様式に関わる要素も含め、それらの魅力を幅広く発信することができました。特に、パナマを中心として中南米・カリブ地域8カ国(ベリーズ、ボリビア、コロンビア、キューバ、ドミニカ共和国、グアテマラ、パナマ、ペルー)の有識者が参加したコーヒー・カカオに関するラウンドテーブルでは、ガイド付き試飲、持続可能なイノベーションの紹介、経済面の知見の共有などを通じ、各国のコーヒー・カカオ産業が持つ文化的・経済的意義について議論が行われました。
これらの取組を通じ、多様な来場者に対し、世界各国にとっての我々の文化や経済の重要性を効果的に伝えることができた点も印象に残っています。さらに、会期後半には、パナマ・パビリオンでの文化パフォーマンスをはじめ、会場の各ステージにおいて計35回以上の公演を実施し、伝統舞踊や民族衣装を披露しました。公演のたびにファンが増え、後日、感謝の手紙やメッセージが寄せられるなど、日本の来場者から寄せられた真摯な関心と敬意は、パナマと日本の文化的な絆をさらに強めるものとなりました。

「世界一の船籍」を支える海事分野をはじめ、経済・学術へ広がる関西との連携
Q:今後、関西で国際交流やビジネス促進のための取組を予定されていますか?
今回の万博を通じて、関西は国際的なメガイベントの開催地として非常に高いポテンシャルを示したと思います。東京から飛行機で約1時間というアクセスの良さに加え、宿泊施設や地下鉄など都市インフラへのアクセスも充実しており、大規模イベントを円滑に運営できるシームレスな環境が整っています。また、多彩な観光資源や、地域の人々の親しみやすさ・フレンドリーな気質も、関西の大きな魅力です。さらに、企業トップとの距離が近く、自治体や経済団体との連携も非常にスムーズであるなど、国際的なビジネスを進める上でも強みを持つ非常に魅力的な地域であり、今後もさまざまな分野で関西との関係性を強めていきたいと考えています。
こうした関西の魅力を背景に、今後の連携をさらに深化させる基盤となるのが、パナマ商工会議所と大阪商工会議所の間で締結されたMOUです。この枠組みに基づき、コーヒー、チョコレート、果物などパナマ産品のプロモーションを強化するとともに、パナマ企業による日本製品の輸入促進に向けた支援にも取り組んでいく予定です。また、学術分野では、パナマ・コロンバス大学と神戸大学、パナマ工科大学と大阪大学の間で学術交流協定が進展するなど、大学間連携の深化が具体的に進みつつあります。
さらに、港湾分野では、大阪港および神戸港とパナマの間でMOUが締結され、港湾振興に関するイベント準備も進行中です。海事産業はパナマにとって最重要分野の一つであることを踏まえ、関西の海事関係機関への視察や意見交換を通じ、できるだけ近い距離でニーズを伺いながら、さらなる協力関係の発展を図れると期待しています。日本の造船は世界にとって非常に重要ですし、私たちも「世界一の船籍」として先頭を走り続けるために、絶えずサービスを磨いていきます。
パナマは小規模ながらも、着実な発展を遂げている国です。今後さらに成長していくため、今回のような交流や対話の機会を通じて、多様な知見や経験を学び取りたいと考えています。これまでに築き上げてきた日本、そして関西地域との関係は、私たちにとって非常に価値のある資産です。今後はこうした関係を一層深め、互いの強みを生かしながら、持続的で実りある協力へと発展させていきたいと願っております。

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- 近畿経済産業局 公式note