豊島屋の愛され続けるブランディング 鳩サブレー 1枚入缶セット

創業130周年を迎えた株式会社豊島屋の「鳩サブレー 1枚入缶セット」が、2025年度グッドデザイン金賞を受賞した。鎌倉土産の定番として愛され続ける鳩サブレーは、なぜ今も絶大な人気を保っているのか。営業本部長の久保田智彦氏と広報担当の宮井通昌氏に話を聞いた。

鎌倉駅徒歩4分の豊島屋本店。いつの時代も変わらず、鎌倉土産を求める観光客でにぎわっている

豊島屋の初代は、藤沢の菓子店から暖簾分けを受けて鎌倉に店を構えた。当初の看板商品は「瓦せんべい」だったが、転機は鎌倉に滞在していた外国人からビスケットを贈られたことだった。これまでにない味わいに感銘を受けた初代は、「大人から子どもまで親しまれる菓子をつくりたい」と考えるようになる。

しかし、当時バターは容易に手に入るものではなく、横浜の異人館まで買いに行く必要があった。試行錯誤の末、ようやく理想に近い味にたどり着き、友人の船長に試食してもらったところ「フランスのサブレに似ている」と指摘され、初めて「サブレ」という名称を知る。日本人に多い名前「三郎」との語呂の近さに親しみを感じ、この名称を採用した。

鳩型にしたのは、地元の鶴岡八幡宮への信仰からだ。本殿の掲額に鳩が描かれ、八幡様の使いとして親しまれていたことから、菓子の形として選ばれた。こうして「鳩サブレー」が誕生。偶然の出会いと鎌倉の土地の文化が重なり合って生まれたこの菓子は、その後130年にわたって鎌倉という場所と分かちがたく結びついていく。

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