民事裁判手続のデジタル化開始 改正民事訴訟法全面施行で 

2026年5月21日、「民事訴訟法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第48号)が全面施行された。この法律は2022年5月18日に成立し、同月25日に公布されたもの。改正法は、民事訴訟手続の迅速化と効率化を目的に、手続全体をデジタル化することなどを柱としている。

今回の全面施行により、インターネットを利用した訴えの提起や主張書面の提出が可能となり、裁判所からの送達もインターネットを通じて行えるようになる。訴訟記録は原則として電子データで保管され、その閲覧等は裁判所のサーバへインターネット経由でアクセスする方法で行える。

さらに、当事者双方の申出と同意があれば、一定の事件について、手続開始から6か月以内に審理を終え、そこから1か月以内に判決する「法定審理期間訴訟手続」も新設された。

改正法は段階的に施行されており、2023年2月にはDVや犯罪被害者等の住所・氏名等の秘匿制度、2023年3月以降は弁論準備手続・和解期日におけるウェブ会議・電話会議の利用、2024年3月からは口頭弁論期日へのウェブ会議による参加がそれぞれ実施されてきた。今回のオンライン提出・訴訟記録の電子化等の施行をもって、全体が完了する形となる。

5月19日の閣議後記者会見で、法務大臣の平口洋氏は、「法務省は、これまで、改正法の円滑な施行に向けて、パンフレットの配布等を通じて、その内容の周知を図るとともに、裁判所等の関係機関と連携し、準備を進めてまいりました」と説明したうえで、「改正法の全面施行により、民事訴訟手続が国民にとってより利用しやすいものとなることを期待しています」と述べた。

一方、2023年6月に成立した非訟手続のデジタル化等を内容とする改正法については段階的に施行されている。2028年6月までの政令で定める日から全面施行される予定で、現時点で具体的な施行日は未定としている。