クラフトサケのhaccoba 東京・大手町に醸造所開設へ、資金調達も実施
クラフトサケ醸造所のhaccoba(福島県南相馬市)は、三菱地所と共同で「大手町ゲートビルディング」(2026年7月竣工予定)2階に開設される「(仮称)農と食の産業支援施設」内に、新醸造所「haccoba 内神田醸造所」を2026年9月に開業する。福島県の小高・浪江を拠点とする同社にとって、首都圏で初の醸造所となる。あわせて、東邦銀行グループとスパークル株式会社が共同運営する「TOHOネクストステージファンド」からの出資、ならびに東邦銀行・あぶくま信用金庫による協調融資により資金調達を実施した。2026年5月21日に発表した。
新醸造所の面積は約72.6平方メートル(約22坪)。日本酒の醸造技術をベースに、フルーツやハーブなどの素材を加える新カテゴリーの醸造酒「クラフトサケ(Craft Sake)」を製造する。大手町ゲートビルディングが面する日本橋川の河岸では、江戸時代に食材などが荷揚げされ、周辺の神田地区では居酒屋や蕎麦などの食文化が醸成された。haccobaはこの地に拠点を構えることで、日本の食文化の発信・共創拠点として展開していく方針だ。
事業展開では、地域の生産者・加工者と都市生活者をつなぐ三菱地所の「めぐるめくプロジェクト」と連携し、ラボ・ショールーム機能も併設する。同プロジェクトのプレイヤー同士の交流や共創を生み出すイベントの開催に加え、周辺地区の企業・団体や飲食店などとのコラボレーションにも取り組む予定。
今回の資金調達は、TOHOネクストステージファンドにとって第4号案件となる。haccoba代表取締役の佐藤太亮氏は「神田を東京での発信拠点および都市と地域をつなぐハブとし、事業をさらに成長させていく」とコメント。スパークル代表取締役の福留秀基氏は、haccobaが「福島発のローカルゼブラ企業」として飛躍することへの期待を示した。
haccobaは2021年2月、原発事故の避難で一時人口がゼロになった福島県南相馬市小高区に醸造所を設立。2023年7月から隣町の浪江でも醸造所を営む。「酒づくりをもっと自由に」という思いのもと、かつての「どぶろく」文化やレシピを現代的に表現し、ジャンルの垣根を超えた酒づくりを行ってきた。
2024年からはASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotch(後藤正文)氏とともに地域の祭り「YoiYoi」を立ち上げ、主催。同年よりJR東日本と連携し、無人駅舎であるJR小高駅を醸造所兼パブリックマーケットとして再生するなど、地域文化づくりにも取り組んでいる。事業を通して自律的な地域文化と自由な酒づくりの文化を取り戻すことを目指している。