「総合サービス業」に転換へ 地銀の多角化、アライアンスの未来

地域銀行(地銀)の業務多角化、アライアンス戦略が本格化しつつある。持続可能な収益を確保しながら、地方創生を牽引するビジネスモデルを確立するためには、本業を固め、証券・保険などの金融業を強化した上で、地域ビジネスに参画するというステップを踏むことが重要だ。

図1 顧客軸、業務軸による地銀のグループ分け


本業が堅実であり、ROA(総資産利益率) 、OHR(粗利益経費率)がよいことが、地銀の異業種とのアライアンスや地域ビジネス参入には重要

出典:大和総研

 

本格化する地銀のアライアンス
その目的と成果

地域銀行(地銀)業界でのアライアンス(業務提携と資本提携)が、政府の地銀再編の施策も機能し始めたことで本格化しつつある。アライアンスの種類は大きく分けて3つに分類される。1)地銀同士の業務提携と資本提携、2)地銀以外の大手銀行、証券会社等いわゆる金融プラットフォーマーとの業務提携と資本提携、3)地域の事業会社との業務提携等、だ。

これらのアライアンスの目的は、多角化による業務粗利益(事業会社の売上に該当)の向上、地域への貸出を中心とした地銀の保有するリスク資産の収益向上による資産効率の改善、営業経費の削減によるコスト効率の改善である。当然ながら、金融システムの安定のために、地銀はリスク資産に対して、自己資本比率を健全な水準に維持することが求められる。

大和総研では、この資産効率とコスト効率の業界平均を軸に2つのグループに分類し、資産効率とコスト効率が業界平均以上に属する地銀(グループA)と、資産効率とコスト効率が業界平均未満に属する地銀(グループB)に分類した(図1)。

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