メーカーズシャツ鎌倉 生地も自らつくり「オールメイドインジャパン」へ

「鎌倉シャツ」の愛称で多くの人に親しまれているメーカーズシャツ鎌倉は、初めて策定したという中期経営計画初年度の2023年に過去最高益を達成している。コロナ禍の時期に社長交代があり、店舗営業が思い通りにできなかったゆえに一時は赤字も経験したなかで、「V字回復」の要因は何だったのか。

貞末 奈名子(メーカーズシャツ鎌倉株式会社 代表取締役社長)

最高品質かつリーズナブル
温めていた事業構想

2023年に創業30周年を迎えたメーカーズシャツ鎌倉。その原点は1960~70年代にアメリカのアイビースタイルを日本に広めたヴァンヂャケット(VAN)創業者である故・石津謙介氏の言葉にある。「日本人の男性をおしゃれにするという私の意志を引き継いでくれる人はいないのかね」、VANでかつて働き、石津氏を恩師と呼んでいた貞末良雄氏はその言葉を受けて「私がシャツ屋をやります」と返答。53歳のときに以前から温めていた事業構想を形にするべく動きだした。

創業者の貞末良雄氏(左)と、故・石津謙介氏。1996年に鎌倉本店にて

その構想は現在に至るまで続く「最高品質で納得価格のシャツ専門店」だった。妻のタミ子氏と夫婦2人で創業し、1号店を構えたのは鎌倉市雪ノ下。良雄氏の長女であり、現在同社を率いる代表取締役社長の貞末奈名子氏は「当時はバブルが弾けてみんなが下を向いているような時代でした。でも父は、好景気のときは良いものを見る目をもった消費者がたくさんいたことを知っていたので、百貨店で1万5000円するシャツを5000円で買えるようにしたら受け入れられると考えたのです」と振り返る。こうして、その後に“鎌倉シャツ”の愛称で全国、さらに世界へと広がっていく事業はスタートした。

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