エバラ食品工業 「ニッチ&トップ戦略」に磨きをかける

数々の国内トップシェア商品を有するエバラ食品工業は、2019年4月から2024年3月末まで中期経営計画「Unique 2023 ~エバラらしさの追究~」を推進してきた。数日前に中計が終了したタイミングで、その振り返りと今後の戦略について、5代目代表取締役社長の森村剛士氏に話を聞く。

森村 剛士(エバラ食品工業 代表取締役社長)

「家庭で焼肉」の文化を広めた
エバラのヒット商品

「焼肉のたれ」や「黄金の味」を発売し、1970年代に家庭で焼肉を楽しむ食文化を広めたエバラ食品工業。創業は1958年で、本社・工場を神奈川県横浜市神奈川区におき、ソース・ケチャップの製造販売からスタートした。社名は創業者である森村國夫氏が以前から事業を行っていた地名(現在の東京都品川区荏原)に由来する。

同社のロングセラー商品「焼肉のたれ」が誕生したのは1968年のこと。創業者の孫であり、5代目社長の森村剛士氏は当時について「日本が高度経済成長期に入り、焼肉が人気になっていました。祖父は店で食べることが当たり前だった焼肉を家庭に持ち込めないかと考え、庶民的で繁盛している店を食べ歩き、一般消費者に喜ばれる味を追求したそうです」と話す。

一気にマーケットが広がったきっかけの1つはテレビCMだった。「これからはラジオの時代ではなくテレビの時代」という考えのもと、1970年から放映を開始。すると、瞬く間に全国へと広まり、4億円規模の企業に成長した。さらなる飛躍は1978年に「黄金の味」を発売したことだった。

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