2030年に非化石脱電源は約6割に 炭素政策の動向とポイント

新たにまとめられた「第6次エネルギー基本計画」を軸に、温室効果ガスの削減を目指す日本。自治体には「地域脱炭素ロードマップ」に対応した取り組みが求められる。ロシアのウクライナ侵攻以降の化石燃料の高騰も、日本の脱炭素に大きな影響を与えそうだ。

第6次エネルギー基本計画

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を表明、2021年4月には「2030年度の温室効果ガス排出46%削減(2013年度比)、さらに50%削減の高みを目指す」という野心的な削減目標を掲げた。2021年5月に成立した地球温暖化対策推進法の一部改正では、2050年までの脱炭素社会の実現を基本理念として法律に位置付けられた。そして2021年10月22日に発表された「第6次エネルギー基本計画」では、①2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応や、②2050年を見据えた2030年に向けた政策対応などの具体的な取り組みが提示された。

図1 2030年度へ向けた温室効果ガス別の削減目標・目安

出典:2021年10月「地球温暖化対策計画」

①については、温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の取り組みが重要と指摘。ものづくり産業がGDPの2割を占める産業構造や自然条件を踏まえればその実現は容易なものではなく、「実現へのハードルを越えるためにも、産業界、消費者、政府など国民各層が総力を挙げた取り組みが必要」とした。

まず電力部門は、再生可能エネルギーや原子力などの実用段階にある脱炭素電源を活用し着実に脱炭素化を進めるとともに、水素・アンモニア発電やCCUS(分離・貯留したCO2の利用)、カーボンリサイクルによる炭素貯蔵・再利用を前提とした火力発電などのイノベーションを追求する。

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