アイスジャパン がん患者の脱毛を抑制する頭皮冷却帽子を開発

氷製造・販売業として創業後、保冷剤メーカーへの事業変換を成功させたアイスジャパン。「世のため人のため」を信念に、近年はがん患者のための医療用品を開発し、海外進出も見据えている。社長の松岡正昭氏に、同社の発展経緯と現在の成長戦略について聞いた。

松岡 正昭(株式会社アイスジャパン 代表取締役)

氷製造・販売業から
保冷剤メーカーへ事業転換

室蘭市に本社を置くアイスジャパンは、温度選定が可能な保冷剤・蓄熱剤の製造で国内シェアトップを誇る保冷剤メーカーだ。テイクアウト食品などに付属する保冷剤や簡易湯たんぽなどの身近な商品から、天井や床下で使う冷房・暖房補助剤、医薬品輸送や国際宇宙ステーションで使用する高機能保冷蓄熱剤など、多岐にわたる分野に事業を拡大している。地方都市の小さな会社でありながら、他社にはない技術で持続可能な企業へと成長している理由について、「創業以来、常に危機感を持ち続けてきたことが大きい」と同社代表の松岡正昭氏が語るように、振り返ればその歴史は常に変革と挑戦の繰り返しだった。

創業は1981年。松岡氏が23歳の時に先代の社長と会社を設立し、氷製造・販売業としてスタートした。全盛期にはスナックや居酒屋など約600軒の顧客を抱えていたが、安価な小型製氷機が普及したことで、事業は徐々に先細りしていった。そんな折、ドライアイスを仕入れていた問屋で、初めて保冷剤を目にすることになる。

「聞けば、毛ガニを送るときに使うもので、凍らせるとカチカチに硬くなると言うのです。そのときに『これだ!』という直感が働き、ノウハウはなかったものの、すぐさま保冷剤メーカーになることを決意しました。このドライアイスの商社は全国に販路を持っていたので、販売の協力をお願いしました。結果、全国に販売体制を整えることができました」

松岡氏は「その商社が扱っている副資材を仕入れて、保冷剤のパッケージに使うこと」と「契約先の保冷剤メーカーよりも5円安く卸す」という2つの条件を提示して販路を獲得し、事業転換を成功させた。

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