一次産業スタートアップ 自国の課題解決からグローバルへ飛躍
農林水産業のプレゼンスが大きい国々では、様々なアプローチで新ビジネスが生まれている。DXにより、これまで様々な経営資源へのアクセスが限定されていた中小零細農家でも、有益な情報を得たり、必要な資金を調達できる。また環境負荷の低い農業への転換支援も有望な事業と見なされている。
ブラジルAegro社 (DX)
農家に、作物を管理するためのデジタルプラットフォームを提供する企業。ブラジルでも中小規模の農家では、紙やスプレッドシートで農場の様々な情報を管理している事業者も多い。それをデジタル化された統合経営管理プラットフォームに移行することで、データが分析できるようになり、コスト削減や正確な経営判断を通じて、より収益性の高い農業経営へと導くことができる。創業は2015年で、ブラジルだけでなく他国の農家にもサービスを提供している。
農業資材の在庫管理や、サプライヤーへの発注管理、農場の財務会計といったバックオフィス業務から、作物の栽培にかかるコストと収穫から得られる利益の予測、農作業の進捗を管理するフィールドノート、農機の活動状況やメンテナンス状況の管理、農作物の出荷・販売状況の把握といった農業活動に特化した業務管理までをカバー。それらを相互に参照し、分析して得られる、事業活動のコストや区画ごとの収益性ほか、事業体としてのKPI算出も可能になっている。
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