NJC 勘と経験をデータと融合 里海の漁業をDXで守る

気候変動による海の大きな変化にさらされている漁業。これを持続可能にするため、漁業者の勘と経験にデジタル技術の力を上乗せしたスマート水産業への移行が必要だ。日本事務器(NJC)では、クラウドベースの操業日誌「MarineManager +reC.」を立ち上げ、多様な里海の漁業への貢献を目指す。

左から、日本事務器 事業戦略本部 バーチカルソリューション企画部 水産関連事業担当 マーケッターの増元理名氏と和泉雅博氏

水産業界との長いかかわりが
新たなソリューションを創出

NJCの創業は大正時代の1924年。2024年に100周年を迎えた。当初は計算機やタイムレコーダーなど、事務を効率化するため必要な機器を扱い、1970年代には多くのオフィスコンピュータ導入を手がけた。創業以来ずっと、企業の事務効率性や生産性を上げるための機器やソフトウェアを扱いながら発展し、現在は、医療や介護などのヘルスケア分野、民間の様々な企業、そして文教・公共分野等に、ICTを基盤としたソリューションを提供している。

100年の歴史の中で、民間企業から学校、病院、公共機関などまで、幅広い業界に同社の顧客がいるようになった。水産業界もかかわりが深い業界の1つだ。インターネットが登場するはるか前から、漁業協同組合(漁協)で使用する業務システムを納入してきた。NJC事業戦略本部で水産関連事業を担当する和泉雅博氏は「中でも長くサービスを提供しているのが、様々な水産業が盛んな北海道です。1970年代から漁協の事務効率化などに協力してきました」と話す。

国内最大の水揚げを持つ組合から小規模な組合まで、1980年代には北海道の漁業組合にオフィスコンピュータが普及した。その後のICTの発達により、漁協の業務基幹システムはクライアントサーバ型、クラウドへと移行していった。現在、NJCでは漁協などの組織に対するサービスとして、ERP(Enterprise Resource Planning)である「MarineManager H」を提供している。

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