SoFun 中小企業に、新たな事業承継の選択肢を提示

従来とは異なる事業承継の選択肢を提示し、全国の中小企業から注目をあびている企業がある。2021年に滋賀県で設立した、事業承継型投資事業を行うスタートアップ、SoFunだ。「事業承継は、中小企業と地方を再生するための大きなチャンス」と語る代表の吉川氏に、同社の事業構想を聞いた。

吉川 友(SoFun株式会社 代表取締役)

地方銀行で働く中で出た疑問が
起業のきっかけに

現在、日本の多くの中小企業が後継者不在による事業承継問題を抱えている。一般的に親族や従業員への承継が難しい場合、行き着くのは同業者やファンドへのM&Aだ。しかし、近年、従来とは異なる事業承継の選択肢を提示し、注目されている企業がある。2021年に滋賀県で設立された、事業承継型投資事業を行うスタートアップ、SoFunだ。同社は3人の地方銀行出身者が、「中小企業が再び輝く会社を作り、日本をおもしろくする。」というビジョンを掲げて創業した。

「私は2006年に地方銀行に入行し、約15年間勤めました。融資やコンサルティングのほか、M&Aにも何度も関わりました。しかし、中小企業同士のM&Aは、その半年後や一年後に、結果的にうまくいかなかったとわかることがすごく多いのです。なぜかと言うと、中小企業同士のM&Aは、少し規模の大きな同業の会社が買い手となることが多く、特定の資源や商流を取り込むといった買い手の目的に基づくM&Aであること、フルコミットできる経営者を送り込むことができないケースが多いことから、独自の文化の活性化や独立した意思決定ができない占領統治のような形になりやすいからです」とSoFun代表の吉川友氏は語る。

本来、事業承継で代が変わる時は、新しく承継した経営者によって事業成長が加速したり、事業変革によって経営を再生させるタイミングでもある。同業者や再売却を前提としたファンドへのM&Aしか選択肢がないことによって、再成長のチャンスを潰している企業も多いのではという疑問を、吉川氏は感じていた。

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