厄介者の灰を再資源化 世界が注目するグリーンテック企業

「2050年カーボンニュートラル」の実現へ、グリーンテック企業への期待が高まっている。AC Biodeは発電所運営の大きな課題である「灰」を他機能化学品にリサイクルする技術を開発し、タイやバングラディシュ、カザフスタンなどの市場に参入している。

久保 直嗣(AC Biode 代表取締役社長)

日本政府は「2050 年カーボンニュートラル」を宣言、また、2030年度の温室効果ガス削減目標として2013 年度比46%削減を掲げる。2021年6月には「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定され、次世代再生可能エネルギー産業や水素・燃料アンモニア産業、カーボンリサイクル・マテリアル産業など、成長が期待される産業14分野が選定され、政策を総動員して各産業の育成が進められる予定だ。

日本はエネルギー関連産業や輸送機器・製造関連産業で優れた技術を持つ大企業が多数存在するが、スタートアップ領域でも世界から注目されるグリーンテック企業が多数存在している。

発電所の灰を化学品にリサイクル

オーストラリア大使館およびイタリア、ベルギー、ドイツの政務部が12月に開催した「TechBizKon–GreenTech」には、日本や欧州のグリーンテック企業15社が登壇、国境を越えたピッチを行った。

「TechBizKon ‒ GreenTech」には日欧のグリーンテック企業15社が登壇

見事優勝したのは、京都市に本社を置くAC Biode。同社はバイオマス灰や石炭灰、下水汚泥灰を、吸着剤や抗菌剤に活用される多機能化学品「CircuLite」にリサイクルする技術を保有している。

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