トラストパーク 「車泊」を地域滞在型観光の選択肢に

年々人気が高まる「車泊(くるまはく)」。災害発生時などにやむを得ず行う「車中泊」とは違う、新しい旅のスタイルだ。いち早くその仕組みづくりに取り組んできたのが、福岡県の企業トラストパーク。地域の自治体や企業等と組み展開する車泊事業について、ソリューション部次長の西岡誠氏が話してくれた。

西岡 誠(トラストパーク株式会社ソリューション部 次長、
九州周遊観光活性化コンソーシアム 代表)

車泊の仕組みづくりは
熊本地震がきっかけ

トラストパークは時間貸駐車場や月極駐車場の管理業務などの駐車場運営を事業の柱とする企業だ。創業は1993年。2015年からグループ会社がキャンピングカーの製造・販売・レンタル事業を開始したことが、車泊事業に着手するきっかけとなった。西岡氏は「私がもともとシェアリングエコノミーを調査・研究していて、当社はシェアリングエコノミー協会が発足時からの会員です。その協会の仲間たちと考えたのが、公共地や市街地にあるスペースをシェアし、キャンピングカーを駐車して宿泊できる仕組み」だった。

その背景にあったのは2016年4月に発生した熊本地震だ。熊本営業所の社員も被災し、トラストパークは保有するキャンピングカーで支援に向かった。

「ただ、停める場所がない。道の駅等の公共施設は自衛隊が防災拠点として活用しており、キャンピングカー支援者が滞在場所として使うことが困難な状況にありました。キャンピングカーは電源があれば通常の家のように使え、そこを拠点に被災者支援ができますから、通常はキャンピングカーを停めて宿泊できる観光拠点として、非常時は防災拠点として利用する仕組みとなる『車泊』を地域滞在の選択肢にできないかと国に提案しました」

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