自治体会計事務DXから始める地域課題解決

「BtoBプラットフォーム」をはじめ、企業間電子商取引を牽引してきた株式会社インフォマート執行役員の齋藤文彦氏に、自治体会計事務DX推進の要諦を聞いた。

株式会社インフォマート 執行役員 齋藤文彦氏

自治体会計事務の課題の重み

インフォマートは企業間商取引をデジタル化するBtoBプラットフォームを運営する企業で、創業は1998年。同社のプラットフォームでは、見積・契約・受発注・請求・支払等、企業間で行われる商取引のプロセスを電子データ化し、一元管理する。ペーパーレスと業務効率化、コスト削減に資するものとして、これまで120万社を超える企業が導入している。

2021年に自治体への展開を開始。「地域事業者との関係強化」「行政サービスの信頼性向上」を可能にし、『地方創生2.0』政策で掲げる「地域内発の成長」「共創社会の実現」に近づくとして注目を集めている。

自治体と事業者の間の日常的な「紙帳票」のやり取りについて、同社のアンケート調査結果によれば、自治体側は「処理遅延」「書類紛失」「支払い遅延」のリスクを課題に感じている。一方、事業者側には「印刷/郵送/保管等のコスト」「自治体ならではの規則への個別対応の負担」「押印や郵送/持参にかかる手間と時間」などの課題感がある。

既に紙帳票をデジタル化した鹿児島県鹿屋市によると、処理業務の工数が年間1万2500時間ほど圧縮された。省力化に加えて、ミスの削減や帳票保管の問題も解消される。

会計事務から広がる地域全体のDX

BtoBプラットフォームの大きな強みは、自治体で導入済みの財務・会計システムの多くと連携していることだ。また、1つのアカウントで、プラットフォーム上の120万超の企業と電子商取引を行うことができる。

「自治体会計業務のデジタル化は、自治体と取引をする事業者側のデジタル化でもあります。また、庁内業務の効率化、生産性向上が実現することで、より広い視野でのイノベーションに注力できるようになります。会計事務DXは、地域全体の課題解決の出発点といえます」と齋藤氏。

導入事例は、大分県庁、東京都東久留米市、兵庫県多可町など、エリアや人口規模を問わず全国に広がりつつある。また、自治体と日常的に取引がある平岡株式会社や公益社団法人東久留米市シルバー人材センターでは、業務処理の効率化、入金・決済状況の可視化、物理的移動と作業の削減といったメリットがもたらされている。

「自治体DXが進まない要因として、自治体と事業者が互いに、相手が主導してくれるのを待っているケースがあります。ぜひ、自治体が主導するかたちで地域事業者と一体となった会計事務DXを通じた生産性向上、課題解決、つまり地域創生に踏み出してもらいたいと思います」。

 

お問い合わせ先


株株式会社インフォマート
デジタルガバメント事業部
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