福井県坂井市・産官学連携 三国湊地域の賑わい創出へ
福井県坂井市・産官学連携
三国湊地域の賑わい創出へ
福井県坂井市で8月28日、新たなプロジェクト研究「三国湊共創プロジェクト研究」が開講した。本研究は、坂井市、NTT西日本、事業構想大学院大学の三者による連携協定に基づき発足したもので、坂井市の歴史的資源「三国湊」をフィールドに、地域観光の未来を担う人材育成と新たな事業創出を目指す。
初回研究会は三国コミュニティセンターで開催され、坂井市の池田禎孝市長とNTT西日本福井支店の北大宅勉支店長が出席し、期待と激励の言葉を寄せた。
今回のプロジェクト研究には、業種や専門性の異なる12名の研究員が参加。来年3月までの約8カ月間にわたり、各自が持つ視点や経験を活かしながら議論を重ね、地域に根差した事業構想計画を構築していく。三国湊エリアは古くから港町として栄え、歴史的な建造物や文化資産が多く残る地域であり、観光資源としての潜在力も高い。しかし、全国の地方都市と同様に、坂井市においても少子高齢化や人口減少が進行しており、地域を牽引する担い手人材の確保と、新たな事業創出が大きな課題となる。
その課題に対し、坂井市は、地域企業と共同で三国湊に「Actibaseふくい」を設立して同エリアの活性化に取り組んできたNTT西日本、そして事業構想大学院大学と連携し、観光分野を中心とした新たな事業構想を構築していく。
研究員たちは、これらの地域資源をどのように活用し、新しい価値へと昇華させていくのか。地域の歴史と未来をつなぐ構想がどのように形づくられるか、期待が高まる。
坂井市役所にて7月4日締結式実施(左より、北大宅勉・NTT西日本福井支店長、池田禎孝・坂井市長、河村昌美・事業構想大学院大学教授)
「三国湊共創プロジェクト研究」初回研究会の様子
豊橋市フィールドワークにて
「食の未来」を探る
「食の未来共創イノベーションプロジェクト研究(第1期)」の研究員が、8月19日に愛知県豊橋市でフィールドワークを行った。愛知県の東三河地域では、「東三河フードバレー」として、地域の生産者、料理人、消費者らがつながり、全国有数の農業地帯・東三河地域の魅力を発信するプロジェクトを実施している。今回は、東三河フードバレーに関わるサーラグループ所属の研究員が視察先を検討し、「イノチオファーム豊橋」と「オアシスファーム」を訪問した。
現地では、ICTを活用した農業の効率化や、廃棄物の堆肥化を通じた循環型農業の取り組みを視察。参加した研究員からは「ICTの活用で農業がここまで効率化されていることに驚いた」「循環型農業が地域との協働で成立していることに感銘を受けた」という声があった。また、地元農家との意見交換を通じ、「現場のリアルな課題に触れることで、自身の研究と社会の関係性を考える機会になった」という感想もあり、新たな気づきを得た。
今回のフィールドワークで得られた知見は大きく三点に整理できる。第一に、ICT制御による農作物の安定生産が可能であり、データ活用が収益性や人材育成に寄与すること。第二に、廃棄物の堆肥化や地域循環による環境負荷低減の可能性。第三に、持続可能な農業には地域資源や人脈など、地域との協働が不可欠であることだ。
今回の視察での知見を活かし、食の未来を拓く事業構想へと展開することが期待される。
愛知県豊橋市にて、「食の未来共創イノベーションプロジェクト研究(第1期)」の研究員がフィールドワークを実施した
プロジェクト研究
プロジェクト研究は、事業構想大学院大学 修士課程のカリキュラムのエッセンスを活かし、研究参加者の新たな事業構想と事業計画構築を行う1年間の研究会です。
担当教授が1年間を通じて、多彩なゲストを招きつつコーディネートとファシリテーションを行い、研究員の知見を高めながら推進していきます。
プロジェクト研究 概要
研究会:定例研究会(1回4時間、隔週24回開催、共同研究会年6回)等
形式:テーマ型/一社型
目的:新規事業、既存事業の再構築、地域活性などの構想・構想計画構築
定員:10〜15名
主担当教員:事業経験豊富な実務家教員
事業構想セミナー・説明会
セミナー、プロジェクト研究の説明会を実施しています。
太田新事業創出プロジェクト研究(第2期)
10/9(木)13:00〜 きりしん太田スクエア
女性活躍推進 事業構想プロジェクト研究(第2期)
説明会・個別相談(随時オンライン)