編集部総論・数字で見る 大きく動く日本の農業と事業機会

日本の農業は、いま大きな岐路にある。資材高騰や担い手減少、気候変動による悪影響が心配される一方で、農業総産出額は28年ぶりに10兆円を超え、輸出も過去最高を記録。食料システム法の施行や食糧法改正も始動した。持続可能で稼げる農業のしくみをどう築くか、その最前線を探る。

 

日本の一次産業が大きな変化を迎えていることを、直接的に農業に関わっていない人々も強く感じるようになっている。約2年前、2024年春には日常づかいの5キログラムの米を2000円台前半で購入できた。現在、一時期の極端な品不足・価格高騰は落ち着いたものの、米の5キログラム袋に付けられた4000円台の値札は日常の風景として定着しつつある。

増える米の需要、資材価格高騰と
農業所得の向上

農林水産省は2025年8月に価格高騰の理由を検証し、需要減を前提とした見通しと実績との乖離、流通実態の把握不足、備蓄米放出時期の遅延などが要因になったと整理した。主食用米の需要量は2022~2023年を底に増加傾向にあり、これが価格上昇に拍車をかけたと見られる(図1)。円安に加え、中東情勢の影響でエネルギー価格が高騰していることもあり、農業生産に必要な資材価格の指標である農業生産資材価格指数も、ここ数年で急上昇している。特に光熱動力については、中東情勢の影響を受けて、2026年に入ってからの上げ幅が大きくなっている(図2)。

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