医療、看護、介護、保育までワンストップで 在宅支援から事業を広げる

千葉市稲毛区に本拠地を置く在宅支援総合ケアーサービス。訪問看護事業から始まり、今では在宅医療や介護、保育事業等も含め、様々な社会ニーズに応じた事業をワンストップで展開している。様々な事業を持つ強みを生かし、看護師や介護士などが働きやすい環境を整えてきた。

依田 和孝(在宅支援総合ケアーサービス 代表取締役)

在宅支援ニーズの増加を見据え
スタートは訪問看護事業から

在宅医療、特に高齢者の在宅療養を追求するうち、それに必要な事業が加わっていき、また現場で働く人々のためのサービスにまで業務の幅を広げた企業が、千葉市に本拠地を置く在宅支援総合ケアーサービスだ。創業者の依田和孝氏は、もともと金融機関で中小企業融資を担当していた。当時、取引先として担当していたのが医療法人。社会保障費のひっ迫を起因とした国の「医療から介護へ、介護から在宅へ」の方針転換と、現場での移行が進んでいく様子を目の当たりにした。

在宅支援総合ケアーサービスを起業した2011年は、自宅で過ごしたい高齢者は最期まで家で過ごせるようにと、国による体制整備が進んでいた時期だ。「せっかく学んだ医療や介護の知識がありましたから、在宅で医療が提供できる訪問看護の仕事を始めることにしました。株式会社が唯一『医療』を提供できる、訪問看護という業態を選びました」という。当時は訪問看護という言葉もあまり知られていなかったが、創業から12年が経過し、自宅での看取りも選択肢として認識されるようになった。「最期を迎える場所として病院を選ぶ方もいれば、最期まで家族と一緒に自宅にいたいという方もいます。その両方に応えられる準備と支援をする事業を進めています」と同氏は説明する。

スタート時の事業は訪問看護だが、看護師だけでは対応できない課題があることに気づき、現在は、ケアマネやヘルパーによる居宅介護支援、訪問介護、訪問薬局に福祉用具貸与など、在宅看護・介護に関連する様々な事業をワンストップで行っている。2019年には医療法人も設立し医師を雇用。在宅での医療用麻薬の使用や看取りも可能にした。

保育事業やオンコール対応改善で
職員の仕事環境も整備

2017年には、社員が働きやすい環境整備に向けて保育事業も開始した。「拠点を置く千葉市稲毛区は、待機児童が多いことで知られていました。当社は職員の8割が女性。人手不足の一方で、産休や育休後に職場に戻ることができないというケースが増え、だったら自分で保育園を設立しようと考えました」。

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