デイサービス ラスベガス 行きたくなる仕掛けをつくる

「デイサービス ラスベガス」は、デイサービス(通所介護)に麻雀やパチンコなどゲーミングの要素を取り入れている。利用者が好まない要素を排除し、サービスの随所に「行きたくなる」ための工夫を凝らした。ユニークな形のサービスを提供する同社の例から、新しい高齢者向けサービスの展開を考える。

ゲーミングを通じ脳機能を活性化

お茶を飲みながら談笑し、レクリエーションの時間には貼り絵や折り紙を楽しむ。そんなデイサービスに対するイメージを覆すのが「デイサービス ラスベガス」だ。施設にはカジノテーブル、雀卓やパチンコ台が並び、利用者が真剣勝負で遊びに興じている。「パチンコやマージャンなどのゲーミングは認知機能の向上だけでなく、勝てばうれしい、負ければ悔しいと、感情に刺激を与えることで楽しみながら脳機能を活性化することができるんです」と、同社社長の森薫氏は高齢者向けサービスにゲーミングを取り入れるメリットを説く。

森 薫
日本シニアライフ 代表取締役社長

もちろんゲーミングはメニューの一部であり、時間を決めてオリジナルのストレッチ運動を行うなど、通常の機能訓練の時間も設けている。

「いかに優れたプログラムがあったとしても、意欲的に利用していただくことができなければ機能回復の成果は出づらく、継続利用も難しいでしょう。だからこそ、行きたい、と感じていただく工夫を取り入れてきました」と森氏はいう。

例えば、施設内で導入した疑似通貨「ベガス」。ゲームで使用するもので、換金はできないが、結果を集計して全国チャンピオンを決めるなど、スコアリングに活用している。機能訓練に参加することでもらえるので、インセンティブにもなっている。

「計算は高齢者の認知機能維持にプラスになるとされ、以前は計算ドリルを導入していました。しかし二桁の足し算引き算はご利用者のプライドを傷つけてしまう事もありました。そこで、『ベガス』を導入する事で自然に計算が必要になる環境を作りました」。

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