サステナ投資指標としても注目 男性社員の育休を定着させるには

段階的に始まった制度改革で、父親になる社員に育休を取得させることが企業に求められるようになった。育休を取る男性社員はこれまで珍しかったことから、定着のための研修や意識改革が必要になる。誰もが休暇を取れる職場づくりは、属人化の防止、業務の効率性向上から、より強い企業への成長につながる。

Photo by Viorel /Adobe Stock

2022年4月から、改正育児・介護休業法の段階的な施行が始まっている。育休の運用を柔軟にし、父親が積極的に新生児の育児に参加できるよう制度を変えていくものだ。男性の育休取得率は上昇傾向にあり、2021年の調査では13.97%となった。政府はこの数値を、2025年には30%にするという目標を立てている。

4月に始まった取得意向確認、
10月には産後パパ育休が開始

4月に導入された制度は大きく3つ。まず、本人あるいは配偶者の妊娠・出産を申し出た社員に対し、企業は個別に育児休業制度に関する周知、休業の取得意向の確認を行うことになった。そのやり方は、面談(オンラインも含む)あるいは書面交付が基本で、労働者が希望すれば電子メールなどでも可となっている。もちろん、休暇の取得を控えさせるような面談は禁じられている。

2つ目は、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備。具体的には、育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施か、相談体制の整備、自社における休業の取得事例の収集と情報提供、あるいは制度利用を促進するための方針を発表すること、のいずれかが求められる。複数の措置を講ずることが望ましいとされ、また1か月以上の長期の休業を取得したい社員が希望通りに休めるような配慮をすることも必要になる。

3つ目は、有期雇用労働者でも育休を取得できるような要件の緩和。取得要件として、1年以上雇用されていること、という条件が廃止され、1歳6カ月までの間に契約を満了することが明らかでない場合には育児休業を取得できるようになった。介護休業についても、同様の改正がなされている。

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