「2024年問題」解決の施策を検討 持続可能な物流へ議論が佳境に

2024年問題や脱炭素化への対応が求められるなか、「持続可能な物流の実現に向けた検討会」での検討が進む。事業者の意見を聞きつつ、行政・有識者委員が課題解決への論点を整理、2月に中間とりまとめを発表した。物流プロセスの関係者が協力し、デジタル化や標準化を進めることが求められている。

 

物流を所管する国土交通省では、経済成長と国民生活を持続的に支える「強い物流」を実現するため、様々な取組をしている。これまでに、物流生産性の向上や環境対策、日本の物流システムの海外展開、災害に強い物流システムの構築などが重要テーマとなってきた。

物流政策の基になるのは、5年ごとに改定される「総合物流施策大綱」だ。現在の大綱は、2021年度から2025年度までを実施期間としている。目指すべき方向性として挙げているのが(1)物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)、(2)労働力不足対策と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)、(3)強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流の実現)。DXを実現して人手不足に対処し、物流ネットワークを将来にわたって維持していくことが大きな目標といえる。

持続可能な物流の検討会
様々な当事者がプレゼン

「2024年問題」を目前に控え、議論が佳境に入っているのが「持続可能な物流の実現に向けた検討会」。経済産業省・国土交通省・農林水産省の3省で設置したもので、第1回目は2022年9月に開催された。2023年2月には「中間とりまとめ」が公表されている。

長時間労働の是正に取り組む厚生労働省と、運送・宅配事業者や全日本トラック協会、大口の荷主である全国農業協同組合連合会や大手メーカーなどが意見を述べ、有識者委員が検討を進めた。中間とりまとめに向けた論点整理では、(1)労働時間規制による物流への影響、(2)物流の危機的状況に対する消費者や荷主企業の理解が不十分、(3)非効率な商慣習・構造是正、取引の適正化、(4)着荷主の協力の重要性、(5)物流標準化・効率化(省力化・省エネ化・脱炭素化)の推進に向けた環境整備、の5つがポイントとして挙げられた。

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