「見て覚える」からの脱却 令和の職人育成、技と心を伝える

高度な専門性が求められる工場の配管工事。宮城県七ヶ浜町のさくら株式会社は、「見て覚えろ」が当たり前だった職人育成を改め、成長段階を明確にした教育制度「SAKURAアカデミー」を構築した。若手の定着に試行錯誤しながら、技と働く姿勢を次世代へつなぐ。

高橋 和義(さくら株式会社 代表取締役社長)

AIが急速に進化する一方で、人の手による技の価値が改めて見直されている。建設現場はその代表例だ。現場の状況を見極め、高い品質で施工する力は、図面やマニュアルだけでは身につかない。しかし、その担い手は減り続けている。高齢の就業者が大量に退職する時期を控え、熟練者の技をいかに次の世代へ引き継ぐかは、業界全体の喫緊の課題となっている。

宮城県七ヶ浜町に本社を置くさくら株式会社は、この課題に正面から向き合ってきた。同社代表取締役社長の高橋和義氏は、「海外では、日本に求められているのはクラフトマンシップだという声をよく聞きます。現場技能職は手先の器用さを生かせる、日本人に合った仕事です。それなのに、きついというイメージから敬遠されてしまうのは非常にもったいない」と話す。

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