人の「わざ」を未来へつなぐ 技能再評価の潮流

AIの普及と人口減少が進むなか、建設や食、美容、工芸など人の手による「わざ」の担い手不足が深刻だ。日本版マイスター制度の提言や生活文化分野での人間国宝の誕生など、技能を守る動きも広がる。技能を次世代へ継承し、課題解決や新規事業につなげる企業や団体の取り組みを追う。

 

人工知能(AI)の性能向上と普及により、事務作業やコーディングを中心に効率化・AIによる代替が進んでいる。海外では人間の職の消失が危惧される一方で、人口減少が進む日本では人手不足を緩和する効果が期待されている。厚生労働省が算出している有効求人倍率は、2024年以降はおおむね1.2前後で、少なくとも今のところは大きな変動はない。

有効求人倍率を職種別に見ていくと、倍率が高い職種は高止まりのまま推移している傾向が見て取れる(図)。2026年8月時点で最も倍率が高いのは建設躯体工事従事者で、土木作業、保安職業が続く。なお建設躯体工事従事者とは、建物の骨格をつくる工事に従事する技能者で、鉄筋工・とび工などが相当する。土木作業従事者はインフラ整備を担当する技能者、保安職業従事者は警備員や警察官などだ。どれも社会を維持するために不可欠な職業だが、人手が足りていない。

図 有効求人倍率(パート除く常用)が高い職種とその推移


有効求人倍率が高止まりしている職種の中でも、建設躯体工事従事者については2022年末のピーク時よりは人手不足感が改善している。他の職種はおおむね横ばいで、待遇改善や他の職種の人のリスキリングが求められる

出典:厚生労働省

 

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