文化庁が創設 当代一流の食の担い手を顕彰する「食の至宝」

2026年1月、文化庁は食文化の分野で新しい顕彰制度「食の至宝」を創設した。日本の豊かな食文化の形成と発展に対して、優れた功績をあげた個人をたたえ、その仕事を社会に広く知らせる仕組みだ。文化庁参事官(生活文化連携担当)の中島勇人氏に、制度創設の狙いを聞いた。

中島 勇人(文化庁 参事官[生活文化連携担当])

「人」がつくり、守ってきた
世界に誇るべき食文化

日本の食は、世界からの高い評価を受け続けてきた。2013年には「和食;日本人の伝統的な食文化」が、2024年には「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。文化庁は食文化を、国民が共有する文化芸術の資源と位置づける。その広がりを中島氏はこう語る。

「日本の食文化は、多様さでも、持ち味や技術の高さでも、世界に類を見ない豊かなものに発展してきました。家庭や地域で受け継がれてきた日常の食があります。フランス料理や中華料理をはじめ、海外から入ってきた料理やサービスを柔軟に受け入れ、独自に発展させ、世界水準まで引き上げたものもあります。料理人だけではありません。発酵や醸造を含む食料品・飲料の製造、接客・給仕人、ソムリエなど提供に携わる方々まで、多様な担い手がわざや知見を受け継ぎ、磨いてきました。その集成が、日本の食文化です」。この豊かな食文化は、食産業の経営資源でもある。2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,549億円と過去最高を更新し、うち飲食費は2兆688億円を占めた。

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