「サービス」として設計するインフラ 情報を意思決定に変える
国内初のPFIやコンセッション事業を数多く手掛けてきたインフロニア・ホールディングス。同社の堀川真加室長が、先端技術による精度の高い情報や現場の知見を意思決定に生かすインフラ経営の姿を語った。
インフロニアホールディングス 総合インフラサービス戦略部 インフラサービス企画室長 堀川真加氏
官民連携事業の実績
インフロニア・ホールディングスは、前田建設や前田道路など6社を束ねる「総合インフラサービス企業」として、1999年のPFI法の施行時から、公共施設等の運営に民間の資金やノウハウを生かす官民連携事業で国内トップクラスの実績を積んできた。
施設の所有権は公共に残したまま運営権を民間が担う「コンセッション」の実績は、第1号事業である仙台空港特定運営事業をはじめ、有料道路や展示場等、11件を数える。
同社が掲げるのは「『つくる』『建てる』から『価値を生み出す』インフラへ」という発想だ。
「『建設』、『維持管理』、『マネジメント』は、コストをいかに抑えるかを軸に設計、運用します。一方『サービス』は、利用者が気持ちよく、また使いたいと思える体験を提供することで新たな価値と収益が生まれる。その収益を維持管理やマネジメントへと循環させ、インフラを持続的に支える。当社は、インフラは管理する対象ではなく、経営すべき『資産』と考えてきました」。
インフロニアホールディングス 総合インフラサービス戦略部 インフラサービス企画室長の堀川真加氏はこう述べる。
堀川氏は前田建設工業株式会社に土木職として入社し、現場の施工管理を経験後、官民連携事業の企画・開発に15年以上従事。事業の構想段階から実行まで幅広いフェーズでの経験と実績を活かし、2021年よりインフロニアグループ全体の戦略立案、総合インフラサービス事業の推進に取り組んでいる。
情報と現場の知見を意思決定へ
インフラを「資産」と捉え直していくための老朽化対策とマネジメントにおいても、「意思決定」がカギになると堀川氏は指摘する。ドローンやAI、人工衛星の進歩で、遠隔でインフラの状態を把握することができるようになり、頻度も精度も格段に上がった。同社も、車両の走行データから道路の損傷をAIで検知するシステムや、点検データから劣化リスクを確率的に評価する仕組み等の技術基盤を開発し、提供している。埼玉県さいたま市の道路管理では、傷む前に手を打つ「予防保全」への転換が進みつつある。
問題は、そうして集まる膨大な情報の価値を最大限に引き出し、判断へと結びつける体制が追いついていないことだ。ひとつの事例から得られた現場の知見が、他自治体や他分野に共有され、有用なデータとして活用されれば、意思決定はより的確なものになるはずだ。
「現場の経験や先端技術から収集される情報を解析して活用するマネジメントと意思決定の高度化が、今最も必要です」。
ただし、情報の解析や共有も、自治体単位で進めるにはハードルがある。
情報の解析や共有においてこそ、民間事業者を大いに活用してもらいたい。自治体間、自治体と地元の事業者のあいだに入り、現場の知見やデータを蓄積し、提供することが、総合インフラサービス企業の役割と心得ています。そのようにして、事後対応から『予防的かつ戦略的な意思決定』への転換を後押ししていきます」。
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