2021年1月号

スマートシティ事例レポート

岩見沢市 ICT基盤で実現する一歩先の農業・教育・ヘルスケア

シスコシステムズ

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世界最先端の農業をはじめ、健康経営や教育をICTの力で推進する北海道岩見沢市。2008年よりその支援をしてきたのが、世界各地でスマートシティのノウハウをもつシスコシステムズだ。岩見沢市企画財政部 情報政策推進担当次長の黄瀬 信之氏にその取り組みを聞いた。

国内外から視察が入る岩見沢市のスマート農業は、強靭なネットワークと農家自身の探求によって進化している

岩見沢市は札幌市から北東に約40kmに位置し、北海道内の主要国道や鉄道網を背景に、石炭や農産物の物流の結節点として発展してきた。現在は、行政面積の約42%を農地が占め、石狩川水系の豊かな水資源を生かした水稲、小麦、大豆、玉ねぎ、テンサイ等の土地利用型農業により、国内有数の食料供給基地となっている。

「岩見沢市では人口減少に対する取り組みとして、社会減を抑え、住民の生活の質を保ち、雇用を生み出し継続することが重要と捉えて地方創生戦略を行っています。特に、健康経営都市・スマート農業タウンとしてのこれまでの取り組みは、最先端のICT基盤と産官学の共創により社会実装を進めており、シスコシステムズ様はその中で長年のパートナーとして支援いただいています」と黄瀬氏は言う。その言葉通り、世界最先端のスマートシティの実現を目指してさまざまな事業を展開している。

全世代の健康を守る取り組み

2008年、岩見沢市では全国に先駆けて北海道大学との連携によるICTを活用した住民ヘルスケアの取り組みを開始。住民の運動量データの可視化を目的に、冬季の農業者の運動量と健康への影響などに関する調査研究を行った。シスコシステムズはこの調査において技術協力を行っている。

その後も自治体初の取り組みとして、医療機関や検診・介護のデータベースと、市民74%のレセプト(診療報酬明細書)や各種健康調査データを結合したデータ・ヘルスケアプラットフォームを構築した。

市民はこのシステムと別途作成されたスマートフォンアプリを通して、独自のアルゴリズムで解析された情報や、それをもとにした医師などによるアドバイス・健康学習教材などを受け取ることができるようになっており、一人一人が健康のためによりよい行動変容と幸せな暮らしを目指せる仕組みが実装されている。

住民はスマートフォンアプリを通して健康のアドバイスが受け取れる

2020年時点で、岩見沢市では文部科学省・科学技術振興機構のCOI(Center of Innovation)プロジェクト『食と健康の達人』拠点事業に自治体として唯一参画。北海道大学を中心とした産官学の連携で、妊産婦や子ども、高齢者など全世代にやさしい社会の実現に向けて取り組んでいる。妊産婦から定期的にデータを採取し、適切な食事やサプリメントの提供をすることで、低出生体重児の比率の改善につながっているなど、着実な成果を上げている。

シスコシステムズはこれらの基盤となる高度なネットワーク環境のほか、医療機関と住民とのコミュニケーションツールとして『Webex』を提供している。

GIGAスクールにも早期対応

今年度、文部科学省の推進する『GIGAスクール構想』により、全国の小中学校で一人1台端末の整備が推進されているが、岩見沢市では以前より光ファイバーによるインターネットインフラを整備していた関係で、全国に先駆けてこれに対応した。ICT機器を活用した授業では、高速・大容量な通信環境を実現する学校ネットワークの環境整備が喫緊の課題となるが、クラウド管理型Wi-Fiとクラウド管理型スイッチにおいて、シスコシステムズの『Meraki MRシリーズ』と『Meraki MSシリーズ』と『MerakiSM(MDM)』を採用。全教室で高速・快適なインターネット環境を整備し、全ての児童がタブレットで学習できる体制を整えた。コロナ禍において子どもたちの学びを止めないだけでなく、教育の質をより向上させるため、オンラインでつながっている他の学校との交流授業などを行っている点も特徴的だ。

岩見沢市では全国でもいち早くGIGAスクール構想に対応している

今後、コロナの再拡大が起きた際にも対応できるよう、シスコシステムズの『Webex』で授業を行うように教育委員会と連携中だ。また、早くからこうした環境を整えたことで、教師によるオンライン授業のコンテンツの造成が進んでおり、市内の高校教員が率先して作成したオンライン授業のノウハウを、小中学校の教員に共有して、市全体で教育の質を向上させる動きが広がっているという。

農業スマートシティに向けて

小説『下町ロケット ヤタガラス』(池井戸潤 著)に登場する自動運転トラクターのモデルで一躍有名となった岩見沢市のスマート農業。中心となっているのは2013年1月に109人の農業者が参加して発足した『いわみざわ地域ICT(GNSS等)農業利活用研究会』だ。ICT活用に意欲的な農業者が多く、現在の参加者は200人に上るという。農業者やJA、岩見沢市、北海道大学などからなるICT活用による地域課題解決の産学官連携体制が構築されており、市内13カ所に設置されている気象観測装置により、50mメッシュの気象情報や、水稲、小麦、玉ねぎ栽培に役立つ営農情報の提供が提供され、市の基幹産業である農業を支えている。

ロボットトラクターは、第一人者である北海道大学の野口伸教授とともに現在も研究を進めており、有人運転のハンドル操作を補助するオートステアリングや、2019年度からは5Gを活用した無人農機の遠隔監視による圃場までの移動・完全自動作業まで、さまざまな段階の実証実験が行われている。オートステアリングによって、作業時間は従来に比べ2割短縮、完全無人作業にすることで8割短縮できることが実証されている。遠隔監視による無人作業が実装されれば、昼夜を問わず作業が可能になり、安定した生産はもちろん、短縮した時間で高付加価値作物の栽培管理なども展開可能だ。

「今後は、この遠隔監視で動くロボットトラクターがさまざまな場所で活動できるよう、評価検証を進めていきたいと考えています。また、さらなるネットワークの基盤整備を考えると、農業だけでなく、防災や市民の健康管理なども含めた"社会基盤としてのネットワーク"構築を目指したいと思っています。シスコシステムズ様には今後も総合的視点でかかわっていただきたいと考えています」と黄瀬氏は語る。

 

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