2017年4月号

「地域×デザイン」開催レポート

NTT西日本イベントレポート 地域完結型プログラミングモデル

西日本電信電話

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日本最大級の通信インフラをベースに西日本各地で地方創生に取り組むNTT西日本。ITベンチャーとタッグを組み、地域完結型プログラミング教育の構築を進めている。新たな教育や地域人材活用の重要性について、ITプロフェッショナルたちが話し合った。

ベンチャーとの共創で「地方創生×ICT」を実現

今回のイベントに登壇したのは、地域におけるプログラミング教育の構築に共同で取り組んでいる、NTT西日本とITベンチャーのキャスタリア。

「本来、出会うはずのない人たちが出会い、互いの強みを活かすことで地方が抱える教育課題を解決する。本日は我々が目指している新しい地方創生についてお話します」。本トークセッションは、モデレーターを務めるキャスタリア代表取締役、山脇智志氏によるこんな印象的な挨拶から始まった。

山脇智志 キャスタリア 代表取締役

モバイルに特化した教育プラットフォームの提供を行うキャスタリアとNTT西日本が出会ったのは、NTT西日本主催のビジネスコンテスト『Startup Factory 2015』だった。「スタートアップ企業とのアライアンスを本格化し、社外のDNAを積極的に取り入れ、新たなビジネスを生み出したい」と、コンテストの狙いを語るのは、NTT西日本ビジネスデザイン部アライアンスプロデューサーの中村正敏氏。

中村正敏 NTT西日本 ビジネスデザイン部 アライアンスプロデューサー

この出会いをきっかけに、2020年からの開始に向けて議論が活発化している小学校でのプログラミング教育必修化を見据えて、プログラミング教育事業に着手した。NTT西日本で同事業を担当する松浦克太氏は、「NTT西日本が全体運営とICT環境の整備を、キャスタリアがプログラミング講座と指導者育成のカリキュラム作成を行い、産官学体制で取り組んでいます」と説明し、大阪府寝屋川市立石津小学校で行なった実証事業を紹介した。

IoT、AI、ビッグデータ、ロボティクスといった技術が急速に発展する今、世界の構造は大きな変革期を迎えている。新しい時代を子どもたちが生き抜くには、教育を通じた“真の生きる力”の醸成が必要だ。

NTT西日本は、「すべての子どもたちに未来の選択肢を」をキャッチフレーズに、子どもたちがプログラミングを学ぶことで21世紀型人材の発掘に貢献すると同時に、プログラミング指導者の研修を受けた地域の学生を起用することで、圧倒的に不足するプログラミング指導者の育成も目指している。

「弊社は2017年1月現在、31の自治体との包括連携協定を締結しています。このネットワークを活かし、全国的なプログラミング教育の普及に貢献していきたいと考えています」と松浦氏は力を込めた。

松浦克太 NTT西日本 ビジネスデザイン部 プログラミング教育事業担当

地域の『ギーク』を集め、プログラミング教育指導者に

プログラミング指導者の不足を解決できる、有望な人材供給層としては、『ギーク』(geek=コンピュータやインターネット技術に時間を費やし、深い知識を有する者)が考えられる。

アメリカではギークがITビジネスのイノベーション創出において重要な役割を担っている。一方日本では、ITに関する高い知識と技術を持つがゆえ、彼らはある種、特異な人間でマネジメントが難しい人材とみなされがちだ。イベントの後半では、そうしたギークが地域に入り込み、「地方創生×ICT」を実現する可能性を語り合った。

山脇氏は「地域でギークたちのコミュニティを醸成しながら、プログラミング教育を進めることが大切です」と前置きした上で、コミュニティのモデルとなりうるのが、キャスタリアがプロデュースを行う『ギークラボ長野』だと話す。

2014年2月のオープン以来、『ギークラボ長野』では、ほぼ毎週勉強会やイベントが開かれ、世代や職業を超えた人たちがテックトークに花を咲かせている。

この立ち上げで手腕を振るったのが、国内外でギークのためのシェアハウス『ギークハウス』を運営しているコミュニティデザイナーである北村直樹氏だ。北村氏は「社交ベタなギークも、こうしたコミュニティがあれば、自然と繋がりが持てます」といい、こう続ける。

北村直樹 コミュニティデザイナー、ギークハウス運営者

「遠方から2時間掛けて参加してくれる優秀なエンジニアが出てくるなど、地方の人材発掘に大きな可能性を感じました。また、ギークは人に教えることが好きな人が多い。分かる人が分からない人に教える空間にもなっています」

『ギークラボ長野』の会員が100人を突破し、地域にコミュニティが醸成されていく中、ギークに「地域活性化に関わりたい」という機運が生まれていると山脇氏は指摘する。

NTT西日本の松浦氏も「子どもにプログラミングを指導できる人材が出てきそうだ」とギークの可能性を示唆する。これを受けて、山脇氏は「ギークは高いIT知識と技術を持つが、コミュニケーションが苦手。ポイントは、ギークと小学校の間をつなぐコミュニティマネージャーを配置することではないか」と提案した。

ギークと子どもたちが出会う、ギークや育成された子供たちで形成するエンジニアコミュニティと自治体が出会う、大企業とベンチャー企業が出会う。本来交わりのなかったこのような新しい出会いが、地域の社会課題を解決する糸口につながる。それこそが新しい地方創生といえそうだ。

地域の通信事業者として、“つなぐ”仕事を100年以上担ってきたNTT西日本。子どもプログラミング教育を通じ、人と人、人と地域をつなぐことで、「地方創生×ICT」の実現を目指していく。

NTT西日本とキャスタリアは、大阪府寝屋川市立石津小学校でプログラミング教育の実証事業中。小型ロボットOzobotを使い、楽しみながらプログラミング的思考を身につける内容だ

 

西日本電信電話株式会社 への

 

  1. 西日本電信電話株式会社
    アライアンス営業本部
    ビジネスデザイン部 ビジネスクリエーション部門

  2. Mail:programming-edu@west.ntt.co.jp
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