シークルーズ 航路新設で、過疎地だった天草を一大リゾート地に
九州有数の観光リゾート地として注目される上天草市前島エリアだが、10数年前は廃墟と草むらしかない過疎地だった。補助金に頼ることなく新しい航路を開いて集客を成し遂げたシークルーズ代表の瀬崎公介氏は、今も民間企業との連携等で、地域経済を動かす仕掛けを生み続けている。
新幹線開通を目前に廃止寸前の航路を再生
熊本県南西部に位置する天草は、青い海に囲まれた大小120余の島々からなる観光エリアだ。世界文化遺産登録を受けた﨑津集落で潜伏キリシタン関連の施設を見学できるほか、イルカウォッチングや、日本最大級の肉食恐竜の化石が発見された恐竜の島などを楽しむことができる。海産物に恵まれていて、旬の味覚も豊富だ。
しかし、阿蘇くまもと空港からは少し距離があり、鉄道は隣の宇城市にある三角駅までしか通っていない。九州本土からアクセスするには、「天草五橋」と呼ばれる5つの橋のいずれかを渡る必要がある。
「そこで、天草に来ていただく交通手段として目をつけたのが、船でした。現在、上天草市松島町の前島港には1日3往復6便の定期船が発着し、多島美を臨む『リゾラテラス天草』や『mio camino AMAKUSA(ミオ・カミーノ天草)』などの観光客向けの複合施設は、コロナ禍が続く今も盛況です」とシークルーズ代表の瀬崎公介氏は胸を張る。
同社は瀬崎氏の父が1978年にクルーザーや水上バイクなどの船舶免許を取るための教習所として創業。関連事業として、マリーナの運営管理や遊覧船の運行などにも事業を拡げていった。
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